死にゆく恒星の周りでハビタブル惑星は

一般的なイメージに反し、寿命を迎えて膨張する赤色巨星の周りにも「生命の惑星」は存在可能です。そのような惑星の環境について調べた研究がこの度公表されました。

恒星の進化の概要

太陽のような恒星は一生の大半を安定した主系列星として過ごしますが、寿命の末期になると膨張を始めて巨星になります。

巨星の膨張とともに「ハビタブルゾーン」(惑星表面に海が存在可能な範囲)は外側に移動していきます。主系列星時代にハビタブルゾーン内に存在した惑星は生命が住めなくなる一方、かつて氷に閉ざされていた惑星が表面に生命の住める惑星になるかもしれません。

今回米コーネル大に所属する Thea Kozakis 氏と Lisa Kaltenegger 氏が『アストロノミカル・ジャーナル』で公表した研究(リンク)は、そのような巨星の周りの惑星について調べています。

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4つのホットジュピターが地上からの観測で見つかる

公転周期-質量ダイアグラム。

これまでに200個近い系外惑星を見つけている「WASP」が新たな成果を報告しました。

スイス・ジュネーブ天文台に所属する L. D. Nielsen 氏らの研究グループがarXivに投稿した研究(arXiv:1904.10388)は、WASPプロジェクトによる4つの惑星「WASP-169b」「WASP-171b」「WASP-175b」「WASP-182b」の発見を伝えています。

WASPはトランジット法で系外惑星を探すために南北半球に1か所ずつ専用の施設を備えています。惑星はいずれもWASP-South(南アフリカ天文台)のデータから「惑星候補」として見つかった後、フォローアップ観測で確認されました。

関連記事:系外惑星の観測方法#トランジット法

4つの惑星はそれぞれが別々の恒星の周りを公転しています。これらはWASPが発見してきた多くの惑星と同じく短周期の木星型惑星(ホットジュピター)ですが、いくらかの個性があります。

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史上初の系外衛星「ケプラー1625b I」実在しない可能性が高まる

ハッブル宇宙望遠鏡を用いた「系外衛星」候補の観測を再分析したところ、この天体が実在する証拠は見られなかったという研究が新たに公表されました。

「太陽系外衛星」(系外衛星)とは、太陽系外惑星の周りを公転する衛星です。そのような天体は、恒星の手前を横切る惑星が恒星の光を一時的に遮る「トランジット」を捉える方法で、惑星に付随して見つけることができます。

惑星のトランジットを観測するケプラーの想像図

関連記事:系外惑星の観測方法#トランジット法

観測史上最初の太陽系外衛星候補「ケプラー1625b I」は、「ケプラー」宇宙望遠鏡の主要ミッション(2009~2013年)で見つかりました。海王星並みのサイズを持つこの巨大衛星は、木星サイズの惑星「ケプラー1625b」の周りを公転しているとされています。

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「第二の地球」発見に立ち塞がる重大な障壁

粒状斑と超粒状斑

地球サイズの居住可能惑星(生物が生息可能な惑星)を太陽に似た恒星に見つけることは、天文学の大きな目標です。

そのような「第二の地球」は、視線速度法(RV法)で観測可能かもしれません。RV法は、惑星の公転に伴い、恒星の視線速度(奥行き方向の速度)が周期的に変わるのを捉える方法です。

関連記事:系外惑星の観測方法#視線速度法

「第二の地球」を見つけるために必要な視線速度の精度は秒速0.1mで、これは2018年にチリのパラナル天文台で本格運用を開始した「ESPRESSO」分光器で達成可能な水準です。

しかし単純な精度の向上のみで惑星が見つかるとは限りません。恒星の視線速度には恒星自体に由来する「ノイズ」が含まれ、惑星に由来する変動を覆い隠すためです。

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近接連星の複雑な事情

近接連星では恒星の間に働く潮汐力が恒星の自転に影響し、恒星の活動性が高くなると考えられてきました。

今回太陽に似た2つの恒星からなる連星系を想定した研究で、連星の初期条件次第で、活動性の減少や恒星の融合を含む多様な結果がもたらされることが示されました。

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視線速度法の観測で一挙15個の惑星候補が見つかる

惑星候補の性質

チリのマゼランII望遠鏡に設置された分光器「PFS」のデータを新たな方法で分析した研究で、15個の惑星候補が見つかりました。15個の中には、木星に似た長周期の惑星や、ハビタブルゾーン内の巨大惑星が含まれます。

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珍しい超短周期のホットジュピターNGTS-6b

次世代トランジットサーベイ(NGTS)によって新たにホットジュピターの「NGTS-6b」が発見されました。この星は1日未満で恒星の周りを一周する超短周期惑星で、なおかつ木星型惑星(巨大ガス惑星)であるという点で珍しい存在です。

惑星の発見はチリ大学に所属する Jose I. Vines 氏らの研究グループがarXivに投稿したプレプリント(arXiv:1904.07997)で伝えられました。

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※次世代トランジットサーベイ(NGTS)とは

次世代トランジットサーベイ (The Next Generation Transit Survey, NGTS) は系外惑星をトランジット法で観測するプロジェクトの1つです。トランジット法とは、惑星が恒星の手前を横切る現象(トランジット)に伴う恒星の減光を捉えることで惑星を検出する方法です。

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「2つの太陽」を持つケプラー47系に第3の惑星が見つかる

連星系の周りに形成される惑星

「ケプラー47」は太陽に似た恒星と赤色矮星からなる連星系で、2012年に「ケプラー」宇宙望遠鏡の観測で2つの惑星が見つかっています。今回この惑星系に3つめの惑星「ケプラー47 (AB) d」を発見したことが報告されました。

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恒星間空間から飛来した流れ星

火球の想像図

流星は地球大気に衝突した微小な天体の姿です。その大半は太陽系内に起源を持ちますが、中には太陽系外から来たものがあるかもしれません。

今回過去の記録を分析した研究によって、2014年1月に観測された火球(明るい流星)が恒星間空間に起源を持つことが分かりました。

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直接撮像法が解き明かす褐色矮星と巨大ガス惑星の分布

系外惑星や褐色矮星を直接撮像法で調べているサーベイ(掃天観測)の途中経過が公表されました。この研究では、300個の恒星を観測した結果に基づき、大きな軌道を持つ巨大ガス惑星(木星型惑星)の存在頻度や分布の傾向を統計的に調べています。

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ケプラーの観測データから明らかになった長周期惑星の実態

「ケプラー」宇宙望遠鏡の主要ミッションに基づいた研究で、地球の4倍以上のサイズをもつ長周期惑星(2~20年)は恒星1つあたり平均0.4個存在し、海王星サイズの惑星は木星サイズの惑星と同等以上に多いことが示されました。

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太陽系から最も近い恒星プロキシマに第2の惑星候補が見つかる

太陽系の最も近くにある恒星「プロキシマ」は、太陽と比べて小さく低温の赤色矮星で、2016年に惑星「プロキシマb」が発見されています。今回アメリカで開かれた会合で、2つめの惑星候補「プロキシマc」の発見が報告されました。

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横倒しで自転する惑星では成層圏が湿潤になる?

自転傾斜角の大きい惑星

地球の赤道面は軌道面から23.4度傾いていますが、他の惑星はより傾いた自転傾斜角を持つかもしれません。そのような惑星では成層圏には水蒸気が多く含まれ、宇宙空間へ水が逃げ出しやすいとみられることが新しい研究で分かりました。

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