褐色矮星の生命 近い将来に観測可能か

褐色矮星の大気には微生物が存在し、その証拠は近い将来に容易に観測できるようになるかもしれないという研究が公表されました。

大気中に生息する微生物の想像図。

地球生命の大部分は地表・海中・地中に生息しています。一方で、大気中に漂うエアロゾル(微粒子)で暮らす微生物もいます。これは天体の大気も生命の居所となり得ることを示しています。

大気の居住可能性(=生命が生息可能かどうか)はあまり大きな注目を集めていませんが、太陽系内では金星や木星について調べた研究が古くからあります。また近年では太陽系外の巨大ガス惑星や褐色矮星の大気についても論じられるようになっています。

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ルイテン98-59系の惑星質量が明らかに

系外惑星観測衛星「TESS」が発見した「ルイテン98-59」系で3つの惑星の質量が測定されました。

ルイテン98-59系の惑星と太陽系の地球型惑星

「ルイテン98-59」(L 98-59)は太陽系から35光年の距離にある太陽系近傍の星の1つで、太陽の約1/3のサイズしかない赤色矮星(低温の小さい恒星)です。この星の周りには2019年に公転周期2.3~7.5日の3つの系外惑星が報告されています。

関連記事:TESSが3つの惑星を発見・地球より小さい惑星も(L 98-59の惑星発見)

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横倒しに自転する惑星は地球より生命に適しているかもしれない

横倒しになった自転軸を持つ惑星は、地球のような惑星と比べて、いくつかの理由で生物の生息に適した環境を維持しやすいという研究が公表されました。

自転傾斜角の大きい惑星

地球の自転軸は23.4度傾いていますが、これは惑星がとりうる様々な自転傾斜角の一例にすぎません。自転傾斜角と惑星の「居住可能性」(生物が生息可能かどうか)がどのように関わっているかは大きな関心事です。

米ゴダード宇宙科学研究所に所属する Christopher M. Colose 氏らが5月22日にarXivに投稿した研究(arXiv:1905.09398)は、自転軸が大きく傾いた惑星の気候を調べたものです。特に、日射量の少ない環境に焦点を当てています。

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太陽風が太陽の自転軸を傾けた?

太陽から吹き出す希薄な物質の流れ「太陽風」が太陽の自転軸を傾けたという説が唱えられました。

水星を除く太陽系の7つの惑星はほぼ共通した軌道面を持ち、角度のばらつきは3度の範囲内に収まります。これは惑星が薄い円盤状の「原始惑星系円盤」から作られと考えれば自然に説明できます。

一方で、惑星の軌道面に対して6度傾いた太陽の赤道面を説明するには、何らかの特別なメカニズムが必要です。これまでに、例えば、原始惑星系円盤が様々な理由で太陽に対して傾いたという説が唱えられています。

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データに埋もれていた17個の惑星・地球より小さい惑星も

「ケプラー」延長ミッションのデータを新しい手法で再分析したところ、地球より小さい惑星を含む17個の系外惑星が新たに確認されました。

発見された惑星の公転周期とサイズ。

NASAの「ケプラー」宇宙望遠鏡は、系外惑星が恒星の手前を横切る現象(トランジット)を記録することで惑星を探しました。ケプラーの主要ミッションは2013年に終了し、2014年から2018年にかけて「K2」と呼ばれる延長ミッションが行われました。

独マックスプランク太陽系研究所に所属する René Heller 氏らが5月22日にarXivに投稿した研究(arXiv:1905.09038)は、K2のデータから「TLS」と呼ばれる新しい手法で惑星を探したものです。

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変動するホットジュピターの大気・雲の消長反映か

ホットジュピター「ケプラー76b」の満ち欠けを調べた研究で、惑星大気に変動が起きていることが分かりました。

ホットジュピターの明るさの不均一性。

米ボイシ大学に所属する Brian Jackson 氏らが5月19日にarXivに投稿した研究(arXiv:1905.07781)は、惑星「ケプラー76b」の相(満ち欠け)と掩蔽(惑星が恒星の奥に隠れること)の変動について調べています。

「ケプラー76b」は「ケプラー」宇宙望遠鏡の主要ミッション(2009~2013年)で見つかった系外惑星で、木星の約2倍の質量を持ち、1.5日周期で主星の周りを公転するホットジュピター(=高温の木星型惑星)です。

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形成中の惑星を円盤が取り囲んでいる証拠が見つかる

生まれて間もない惑星「PDS 70 b」が「周惑星円盤」に取り囲まれていることを示す研究が公表されました。

原始惑星系円盤と周惑星円盤

「PDS 70」は生まれてから数百万年しか経っていない若い恒星で、その周りは「原始惑星系円盤」が取り囲んでいます。円盤には幅の広い溝があり、そこには2018年に惑星「PDS 70 b」が見つかっています。

オーストラリアのモナシュ大学に所属する Valentin Christiaens 氏らが5月15日にarXivに投稿した研究(arXiv:1905.06370)は、この惑星に流れ込む物質が惑星の周りで「周惑星円盤」を成している証拠を発見したことを伝えています。

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小さい赤色矮星ほど惑星の存在頻度が高くなる?

赤色矮星の中でも温度が低く小さいものほど短周期(10日以下)の惑星が多く存在することが示されました。

赤色矮星

2009年から2013年に行われた「ケプラー」宇宙望遠鏡の主要ミッションは太陽に似た恒星を主なターゲットとしていましたが、太陽より小さい「赤色矮星」もターゲットの約2.5%を占めていました。

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マイクロレンズ法で発見された系外惑星KMT-2018-BLG-1990Lb

マイクロレンズ効果の観測を行っている「KMTNet」が、新たに系外惑星を発見しました。赤色矮星を公転する木星型惑星と見られます。

韓国天文科学院に所属するYoon-Hyun Ryu氏らがarXivに投稿した研究(arXiv:1905.05509)は、重力マイクロレンズ法を用いて新たな惑星「KMT-2018-BLG-1990Lb」を発見したことを報告しています。

関連記事:系外惑星の観測方法#マイクロレンズ法

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TESSが肉眼等級の恒星に3つの惑星を見つける

系外惑星観測衛星「TESS」のデータから、6等星の「HR 858」に3つの惑星が見つかりました。この星はトランジット法で3つ以上の惑星が見つかった星として最も明るい恒星です。

テキサス大学オースティン校に所属する Andrew Vanderburg 氏らの研究グループが5月13日にarXivに投稿した研究(arXiv:1905.05193)は、NASAの系外惑星観測衛星「TESS」が、肉眼で視認可能な明るさの恒星に複数の惑星を見つけたことを報告するものです。

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赤色矮星の惑星系にハビタブル惑星候補見つかる

これまでに3つの惑星が知られている「K2-133」系に第4の惑星が確認されました。

K2-133系の惑星

英クイーンズ大学ベルファストに所属するR. Werlls氏らがarXivに投稿したプレプリント(arXiv:1905.05206)は、これまでに惑星が3つ確認されている「K2-133」(別名:LP 358-499)系に、新たに惑星を確認したと伝えています。

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銀河面で見つかったマイクロレンズ惑星

これまでマイクロレンズ法の観測に適していないと考えられてきた銀河面で新たに惑星が見つかりました。

韓国天文研究員に所属する Yoon-Hyun Ryu 氏らがarXivに投稿した研究(arXiv:1905.04870)は、マイクロレンズ効果を利用した系外惑星の発見を伝えています。

マイクロレンズ効果とは重力レンズ効果の一種で、光源となる天体の手前を別の天体(レンズ)が横切った時、光源から地球へ向かう光の経路がレンズ天体の重力で歪み、光度が変化する現象です。

関連記事:系外惑星の観測方法#マイクロレンズ法

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若い恒星を囲む塵の円盤が偏光で浮かび上がる

偏光を通じて若い恒星の周りに存在する「デブリ円盤」を観測した研究で、円盤に含まれる塵が不規則な形をしていることが確かめられました。

デブリ円盤の散乱特性。

ヨーロッパ南天天文台に所属する J. Milli 氏らの研究グループが5月9日にarXivに投稿した研究(arXiv:1905.03603)は、恒星「HR 4796 A」の周囲に存在する「デブリ円盤」(塵の円盤)を観測したものです。

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赤色矮星は2種類に分かれているわけではない

赤色矮星は質量の大小で2グループに分けられるとする研究に対して、これを否定する研究が新たに公表されました。

赤色矮星

中心核で安定した核融合を起こしている恒星を主系列星といいます。主系列星では、質量や半径が大きくなるほど温度・光度が大きくなる関係性があります。これは主系列星の最も低質量側を占める「赤色矮星」の中でも成り立っています。

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NGTS-5b・低温の恒星を廻る膨張したホットジュピター

次世代トランジットサーベイが新たにホットジュピター(高温の木星型惑星)を発見しました。

ドイツ航空宇宙センターに所属する Philipp Eigmüller 氏らが5月7日にarXivに投稿した論文(arXiv:1905.02593)は、「次世代トランジットサーベイ」(NGTS)の成果を伝えています。NGTSはトランジット法を用いて太陽系外惑星を探すプロジェクトで、小型の自動式望遠鏡12台からなる専用の施設をチリに持っています。

関連記事:NGTSとは

関連記事:系外惑星の観測方法#トランジット法

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