赤い三連星に惑星が見つかる

TESSの観測で赤色矮星の3連星の中に地球型惑星が見つかりました。太陽系近傍にあるこの惑星系は、惑星大気の観測ターゲットとして有望です。

LTT 1445 A系と太陽系の比較

ハーバード・スミソニアン天体物理学センターに所属する Jennifer G. Winters 氏らがarXivに投稿した研究(arXiv:1906.10147)は、太陽系近傍の連星系「LTT 1445」に系外惑星を発見したことを伝えています。

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重力の弱い海洋惑星の居住可能性

重力が弱く大気が活発に流出する惑星でも、生物が生息可能な環境を一定期間保てることが分かりました。

深い海に覆われた惑星を「海洋惑星」といいます。これらの惑星には、地球のような水が質量に占める割合が0.1%に過ぎない星とは異なり、質量の1~数パーセント以上の水(氷を含む)が含まれています。

ハーバード大学に所属する Constantin W. Arnsheidt氏らの研究チームが6月25日にarXivに投稿した研究は、質量の小さい海洋惑星の居住可能性(=生物が生息できるかどうか)について調べたものです。

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低温の赤色矮星LP 791-18に惑星見つかる

系外惑星観測衛星TESSが赤色矮星「LP 791-18」の周りに2つの惑星を見つけました。LP 791-18はこれまで惑星が知られている赤色矮星の中でも3番目に温度が低い天体です。

LP 791-18の惑星の日射量とサイズ。

「LP 791-18」は太陽系から86光年の距離にある赤色矮星(質量の小さい低温の恒星)です。半径は太陽の6分の1しかなく、赤色矮星の中でも小さい部類に入ります。

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赤色矮星LHS 1140の紫外線環境

ハビタブル惑星候補を持つ太陽系近傍の赤色矮星「LHS 1140」の紫外線環境を、人工衛星「スイフト」を用いて調べた研究が公表されました。

太陽系から49光年の距離にある「LHS 1140」は、質量・半径がそれぞれ太陽の0.18倍・0.21倍の赤色矮星(低温の小さい恒星)です。2017年にこの星の周りに見つかった惑星「LHS 1140 b」(以下「惑星b」)は地球の1.7倍の半径を持ち、LHS 1140のハビタブルゾーン(惑星表面に液体の水が存在可能な領域)に収まる軌道を24.7日周期で公転しています。

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ティーガーデン星の惑星に生命は存在可能か?

ティーガーデン星の2つの地球型惑星をモデルを用いて調べた研究で、幅の広い条件で、惑星の少なくとも一部の地域に液体の水が存在可能とみられることが示されました。

太陽系から12.5光年の距離にある「ティーガーデン星」には、ごく最近2つの地球型惑星(内側の「惑星b」と外側の「惑星c」)が見つかりました。地球並みの質量を持ち地球に似た日射受けているこれらの惑星は、表面に液体の水が存在するかもしれません。

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史上最短周期の褐色矮星が見つかる

0.676日で主恒星の周りを公転する褐色矮星(恒星と惑星の中間質量の天体)が見つかりました。この天体は形成から5500万年しか経っていない連星系に属していますが、既に寿命は残りわずかのようです。

褐色矮星の想像図

英ウォーリック大学に所属するJame. Jackman氏らが6月19日にarXivに投稿した研究(arXiv:1906.08219)は、「次世代トランジットサーベイ」(NGTS)が発見した超短周期の褐色矮星「NGTS-7Ab」について伝えています。

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ALMAが成長中の惑星を発見か

南米チリにある「ALMA」電波望遠鏡の観測で、恒星「HD 100546」の周囲に成長中の原始惑星と見られる電波源が見つかりました。

HD 100546は太陽系から はえ座の方角に320光年離れた位置にある若い恒星です。この星は太陽の約2倍の質量を持ち、恒星を取り囲む塵とガスの円盤(原始惑星系円盤)の中で惑星系が作られつつあります。

HD 100546の円盤は幅の広い隙間で内側と外側に隔てられています。赤外線を用いた研究では、惑星が存在する可能性があると報告されていますが、今のところ確実なものではありません。

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ALMAが成長中の惑星から放たれる電波を観測

ALMA望遠鏡が原始惑星「PDS 70 c」の周りにある塵から放射されているとみられる電波を観測しました。

PDS 70はケンタウルス座にある若い恒星で、塵とガスを含んだ原始惑星系円盤と、2つの原始惑星「PDS 70 b」「PDS 70 c」が周囲に見つかっています。このうち外側にある惑星PDS 70 c(以下惑星c)は、可視光~近赤外線を通じた観測でごく最近存在が確かめられました。

PDS 70の原始惑星系円盤と惑星
PDS 70の原始惑星系円盤と惑星。
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様々なハビタブル惑星の季節変化

自転周期・自転傾斜角・公転周期・大気の質量が異なるさまざまな地球型惑星で、大気にどのような季節変化が生じるのか検証されました。

地球大気の子午面循環

イスラエルのワイツマン科学研究所に所属する Ilai Guendelman 氏と Yohai Kaspi 氏が6月13日にarXivに投稿した研究(arXiv:1906.05748)は、ハビタブル惑星の気候を様々な条件で調べたものです。研究では特に、日平均温度・大気循環の季節変化に焦点を当てています。

研究では地球と同じ大きさ・日射(太陽から受け取る放射エネルギー)の惑星を想定し、自転周期・自転傾斜角・公転周期・大気の質量を変化させながら、全球気候モデルを用いて惑星の大気をシミュレーションしました。

自転傾斜角の大きい惑星
自転傾斜角の大きい惑星
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※「IGRINS」分光器とは

反射型回折格子とイマージョン回折格子

IGRINS (Immersion GRating INfrared Spectrometer) とは、アメリカ・テキサス大学と韓国天文研究院(KASI)が共同で開発した天体観測装置です。望遠鏡が捉えた天体の光を分解し、波長ごとの光の強さ(スペクトル)を得る「分光器」の1つです。広い範囲の近赤外線スペクトルを高い波長分解能で得ることができます。

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2つの観測プロジェクトがホットジュピターを発見

「KELT」「MASCARA」の2つのプロジェクトが比較的明るい恒星の周りに大質量のホットジュピターを発見しました。

太陽・HD 93148とその惑星のサイズ比較。

米ハーバード・スミソニアン天体物理学センターに所属する Josef E. Rodriguez 氏らのグループと、デンマークのオーフス大学に所属するM. Hjorth氏らのグループがそれぞれarXivに投稿した研究(arXiv:1906.03276, arXiv:1906.05254)は、比較的明るい恒星の周りに新たにホットジュピター(高温の木星型惑星)を見つけたことを伝えています。

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若いホットジュピターの光が観測される

生まれて間もない恒星の周りに見つかっていたホットジュピター(高温の木星型惑星)のスペクトルが、直接的な技法で測定されました。

「おうし座CI星」は おうし座の方角にある太陽の9割の質量を持つ恒星です。この星は生まれてから200-300万年しか経っていない若い恒星(Tタウリ星、前主系列星)で、周囲に塵とガスの円盤(=原始惑星系円盤)を従えています。

おうし座CI星の周りには2016年に惑星候補「おうし座CI星b」が発見されました。この天体は8.99日で軌道を一周するホットジュピターで、若い星の周りに視線速度法で見つかった数少ない惑星候補の1つです。

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散開星団に含まれる恒星に系外惑星を見つけた思ったら星団とは無関係だった件

新たに見つかった惑星系は、当初は散開星団に含まれていると考えられていましたが、実際には無関係でした。

1か所で生まれた恒星の群れが離散しつつある星団を散開星団と言います。このような若い星団の恒星にみられる惑星を調べれば、惑星系が時間と共にどのように変化していくのかを知る手掛かりが得られます。

米コロンビア大に所属するRayna Rampalli 氏らの研究グループが6月6日にarXivに投稿した研究(arXiv:1906.02395)は、散開星団の近くにある恒星「EPIC 246865365」に系外惑星を発見したことを伝えています。この惑星「EPIC 246865365 b」は、ケプラー宇宙望遠鏡の延長ミッションに当たるK2ミッション(2014~2018年)でトランジット法を用いて惑星候補として検出されたものです。

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ガイア衛星は明るい星までの距離を正しく測れていない

ガイア衛星が測定した距離は、5等級より明るい星では不正確になっているとする研究が公表されました。

2013年12月に欧州宇宙機関が打ち上げた「ガイア」衛星は、恒星の位置を詳しく測ることを目的としています。位置の変化を調べることで「年周視差」を知ることができ、年周視差が分かれば三角測量の原理で恒星までの距離が決まります。

ガイア衛星の処理済みのデータ段階的にリリースされています。現時点では2018年に公開された「データリリース2」 (DR2) が最新のデータセットです。

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PDS 70の原始惑星系円盤内に第2の惑星

形成途中の惑星が知られている若い恒星「PDS 70」に第2の惑星が見つかりました。2つの惑星は太陽系形成時の木星と土星に似た状況にあるのかもしれません。

「PDS 70」はケンタウルス座の方角に370光年離れた位置にある若い恒星です。この星は生まれてから500万年前後が経ち、塵とガスを含んだ円盤構造(原始惑星系円盤)に囲まれています。この円盤の中では、惑星形成のプロセスが進んでいると考えられています。

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