374個の惑星候補が新たにケプラー延長ミッションのデータから見つかる

「K2-83」系では、これまでに赤色矮星の主星の周りに周期2.74日と9.99日の2つの惑星(K2-83b・K2-83c)が確認されています。惑星bとcはそれぞれ地球の1.4倍と1.7倍のサイズ(半径)があります。

今回新たに見つかった惑星候補は、24.3日周期で既知の2つの惑星の外側の軌道を公転しています。この天体は地球の1.6倍の半径を持ち、その軌道はハビタブルゾーン(惑星表面に液他の水が存在可能な領域)に収まっている可能性があります。

多重惑星系

今回の研究では、5つの惑星候補を抱える系2つと、6つを抱える系1つが新たに見つかりました。これらの系は、いずれも既に惑星が知られている系に追加で惑星候補が見つかったものです。K2ミッションのデータを対象としたこれまでの各種研究では、5つ以上の惑星を含む系は2つしか見つかっていませんでした。

「K2-268」系は、公転周期2.15日と9.33日の2つの惑星(K2-268b・K2-268c)が既に確認されています。今回の研究では新たに3つの惑星候補(公転周期4.53日・6.13日・26.27日)が検出されました。5つの惑星のサイズ地球の1.6~3.6倍の範囲にあり、主恒星は太陽よりやや小さい恒星(K型主系列星)と見られています。

「EPIC 211428897」系はこれまでに1.61日・2.18日・4.97日周期の3つの惑星候補(惑星としては未確認)が見つかっています。今回の研究では、3.29日と6.27日周期の惑星候補が新たに追加されました。主恒星は赤色矮星で、惑星はいずれも地球より小さいサイズを持つと計算されている点でも注目に値します。

「K2-178」系は、これまで公転周期8.75日の惑星「K2-178b」のみが知られていました。今回の研究では5つの惑星候補(周期1.83日・4.28日・13.16日・21.09日・30.29日)が新たに見つかりました。6つの惑星候補は地球の1.5~3.8倍の半径があります。主星は太陽に似た星です。

単発のトランジット

観測期間中に1回しかトランジットを示さなかった長周期の惑星候補も見つかりました。

単発の減光イベントは全体では77個検出されましたが、多くのケースでは惑星トランジットとしては減光率が大きすぎるなどの理由で食連星に分類されました。惑星の可能性ありと判断されたイベントは21個ありますが、なお食連星が多く混じっていると考えられています。

惑星候補が見つかっている系に単発の減光が見られた場合、それは惑星に由来する可能性が比較的高いといえます。そのようなイベントは2つの系で起きました。

「EPIC 211087003」系では、周期28.3日・半径が地球の3.6倍の惑星候補に加え、単発のトランジットが検出されました。単発トランジットを起こした天体が仮に惑星ならば土星程度の半径(地球の9倍の半径)を持つ木星型惑星と見られます。

「EPIC 211939692」系では、周期26.9日・3.0地球半径と、周期39.5日・3.3地球半径の2つの惑星候補が見つかっている系で、これらとは無関係なタイミングでトランジットが2回起きました。2つのトランジットは減光率や継続時間が互いに異なっているため、別個の天体がそれぞれ単発トランジットを起こしたものと見られます。単発トランジットを起こした天体は地球の3.3倍と4.3倍のサイズ(半径)があると計算されています。


今回の研究はQATSが幅広い惑星候補を見つけ出せることを実証していますが、短周期惑星や単発トランジットなどの極端な状況では、精度に課題も残しました。

研究チームは、他のグループが発見した惑星候補の90%を再検出できる性能を目標に、今後もQASTの改良を続けるとしています。特に2018年から観測を行っている系外惑星観測衛星「TESS」では、観測期間が短く単発トランジットの割合が増えると考えられているため、TESSへの応用に当たってはそのような状況での検出精度の改善が重要と考えられています。


Kruse氏らの研究は2019年7月25日にarXivに投稿され、26日に公開されました。コメントによると研究は『アストロフィジカル・ジャーナル・サプリメント・シリーズ』に掲載予定ということです。

参考文献

  • Kruse, E. et al., 2019, “Detection of Hundreds of New Planet Candidates and Eclipsing Binaries in K2 Campaigns 0-8”, arXiv:1907.10806v1.

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カテゴリ:系外惑星の発見

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