変動するホットジュピターの大気・雲の消長反映か

ホットジュピター「ケプラー76b」の満ち欠けを調べた研究で、惑星大気に変動が起きていることが分かりました。

ホットジュピターの明るさの不均一性。

米ボイシ大学に所属する Brian Jackson 氏らが5月19日にarXivに投稿した研究(arXiv:1905.07781)は、惑星「ケプラー76b」の相(満ち欠け)と掩蔽(惑星が恒星の奥に隠れること)の変動について調べています。

「ケプラー76b」は「ケプラー」宇宙望遠鏡の主要ミッション(2009~2013年)で見つかった系外惑星で、木星の約2倍の質量を持ち、1.5日周期で主星の周りを公転するホットジュピター(=高温の木星型惑星)です。

相と掩蔽の観測

ケプラー76bは、惑星が恒星の手前を横切り恒星の光を遮る現象(=トランジット)を起こしています。惑星系の明るさは、トランジット以外にも、惑星が恒星の周りを移動するにつれて満ち欠けの状態(=相)が変わることや、惑星が恒星の奥に隠れること(=掩蔽)でもわずかに変わります。

相には惑星の明るさに関する情報が含まれています。相の変動の幅、つまり「新月」と「満月」に相当する状態の明るさの差は、惑星の明るさに対応します。

※トランジットを起こす惑星は、通常、「満月」となる時は恒星の後ろに掩蔽されていますが、掩蔽外の光度変化を延長して明るさを推定できます。

さらに、相の観測では惑星の明るさが東西に偏っているかどうかが分かります。明るさが均質ならば「満月」の地点で最大の明るさに達するはずですが、偏りがあればその限りではありません。この情報は惑星大気を調べる重要な手掛かりとなります。

結果

研究チームが1000日に渡るケプラー76bの観測データを調べたところ、恒星の明るさと比べて惑星の掩蔽に伴う光度変化は87 ppm(1ppm=100万分の1)・相の変動の幅は51 ppmの大きさでした。また、惑星の明るさは「満月」の位置から9度ほど手前で最大になりました。これは惑星の東半球が西半球より明るいことを示します。

ただしこれらの値には大きな変動があり、相の変動幅は35~70ppm・惑星の明るさが最大となる位置は「満月」の40度前~20度後の範囲で揺れ動いていました。さらに、相の変動が大きく(=惑星が明るく)なるほど、明るさ最大の位置が後方にずれる(=西側の半球が明るくなる)関係が確かめられました。

ホットジュピターの姿

これらの観測結果は何を意味するのでしょうか?

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。