10-50億年前のベビーブーム 銀河系で

10億年前から50億年前、われわれの住む銀河系で、新しい恒星が誕生する割合が一時的に増加していたことが明らかになりました。

バルセロナ大学のR. Mor氏らがarXivで公開した研究は、欧州宇宙機関のガイア衛星が記録したデータを元に、銀河系(天の川銀河)の歴史を調べたものです。

この研究では、モデルに基づいて予測した恒星の種類や分布とガイア衛星の観測記録を比較し、恒星が誕生する割合 (SFR, star formation rate) の過去の推移を調べました。

その結果、90-100億年前から60-70億年前にかけてSFRが減少した後、50億年前を境に上昇に転じ、20-30億年前にピークに達した後、再び減少に転じたというシナリオが、ガイアの観測結果をうまく説明できました。

具体的な数字では、100億年前のSFRは毎年10個以上だったものが、60-70億年前には毎年5個程度に落ち込みます。その後20-30億年前に毎年8個程度にまで上昇し、直近10-20億年の間に、現在の毎年1個程度という値まで急落したと見積もられています。

一般的には、銀河内の星形成の材料が減少するに伴い、SFRも時間と共に減少する傾向にあります。そのため銀河系では20-50億年前にSFRの増加をもたらす特別な出来事があったようです。

研究チームは、SFR増加の期間や規模から考えて、銀河系の伴銀河が銀河系に衝突し徐々に吸収されたことが原因なのではないかとしています。このような衝突によるSFRの増加は、多くの(銀河系以外の)銀河で見つかっており、我々の住む銀河系もその例外ではないのかもしれません。

Mor氏らの研究は2019年1月22日にプレプリントとしてarXivに投稿されました。arXiv投稿に付随するコメントによると、天文学の学術誌『アストロノミー&アストロフィジックス』にレターとして掲載するために投稿したとうことです。

参考文献

Mor, R. et al., 2019, “Gaia DR2 reveals a star formation burst in the disc 2-3 Gyr ago”, arXiv:1901.07564v1.

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