K2-138系の惑星質量

K2-138系の惑星

6つの惑星が知られている「K2-138」系の惑星質量が地上からの観測で明らかになりました。

「K2-138」系は「ケプラー」宇宙望遠鏡の延長ミッションに当たる「K2ミッション」で6つの惑星が見つかた惑星系です。この系には、惑星の公転周期が整数比に近くなる「軌道共鳴」が見られ、特に内側5つの惑星が公転周期約2:3の比で連なっていることが特徴です。

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小惑星帯から海王星に相当する軌道を往復する巨大惑星

視線速度法の観測で潰れた楕円軌道を約70年かけて公転する惑星「HR 5183 b」が発見されました。この星はこれまでに視線速度法で見つかった中で最も長い公転周期を持ちます。

HR 5183 bと太陽系の木星型惑星・天王星型惑星の軌道の比較。

カリフォルニア工科大学に所属する Sarah Blunt 氏らがarXivに投稿した研究(arXiv:1909.09925)は、恒星「HR 5183」に視線速度法(RV法)で惑星「HR 5183 b」を発見したことを伝えています。

RV法は惑星の公転に伴って主恒星の視線速度(奥行き方向の速度)が変わることをドップラー効果を通じて調べる方法です。惑星が真円軌道をもつケースでは視線速度は単純な波形(サイン曲線)に沿って変動しますが、楕円軌道の場合は歪んだ形になります。

関連記事:系外惑星の観測方法#視線速度法

太陽に似た比較的明るい恒星HR 5183は、1997年からRV法で観測されてきました。10年以上に渡ってHR 5183にはほとんど変化が見られませんでしたが、2015年頃から視線速度が増加を始め、2018年に元の値より約90m/s高いピークに達した後、減少に転じました。

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公転周期の長いサブネプチューンの質量が測定される

ケプラー宇宙望遠鏡が発見した惑星「ケプラー538b」の質量が測定されました。この星は81.7日という比較的長い公転周期を持ち、周期50日以上の質量が測定された系外惑星として最小の天体となりました。

視線速度法は系外惑星の質量を調べるための代表的な手段ですが、これまでそのターゲットは質量が大きいか公転周期が短い惑星が中心でした。

カリフォルニア大学に所属する Andrew W. Mayo 氏らの国際研究グループがarXivに投稿したプレプリント(arXiv:1908.08585)は、ケプラー宇宙望遠鏡が2016年に発見した惑星「ケプラー538b」の質量を視線速度法で測定したものです。

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太陽系近傍の赤色矮星にハビタブル惑星候補が見つかる

太陽系近傍にある恒星「GJ 1061」の周りに3つの地球型惑星候補が見つかりました。そのうち少なくとも1つでは、惑星表面に液体の水が存在できるかもしれません。

独ゲオルク・アウグスト大学に所属する S. Dreizler氏らヨーロッパとチリの研究者からなるグループがarXivに投稿した研究(arXiv:1908.04717)は、太陽系近傍の恒星「GJ 1061」(別名ルイテン372-58)に3つの惑星候補を見つけたことを伝えています。

GJ 1061は太陽から12光年の距離にある赤色矮星(低温の小さい恒星)で、質量は太陽の12%・半径は16%しかありません。この星の質量やサイズは、太陽系最至近の恒星として知られるプロキシマ・ケンタウリに似ています。

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赤色矮星の惑星「LSPM J2116+0234 b」

「CARMENES」分光器を用いた研究で、赤色矮星「LSPM J2116+0234」の周りに新たに惑星が見つかりました。

「CARMENES」はスペインのカラルアルト天文台3.5m望遠鏡に設置された分光器です。この装置は赤色矮星(低温の小さい恒星)の周りにある惑星を視線速度法で観測するのに最適で、2016年から赤色矮星を対象にした大規模サーベイを行っています。

関連記事:系外惑星の観測方法#視線速度法

ドイツのゲオルク・アウグスト大学に所属するS. Lalitha氏らが『アストロノミー・アンド・アストロフィジックス』に投稿した研究(リンク)は、CARMENESサーベイのターゲットに含まれる2つの赤色矮星「グリーゼ686」と「LSPM J2116+0234」について成果を伝えています。グリーゼ686では既知の惑星を再観測し、「LSPM J2116+0234」では新たに惑星を発見しました。

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生後間もない惑星の質量を赤外線で測定

すばる望遠鏡の赤外線分光器を使った研究で、生まれたばかりの若い惑星「おうし座V1298b」の質量の上限が求められました。

「おうし座V1298」はおうし座にある生まれて間もない恒星です。誕生から2300万年しか経ていないこの星の周りには、ケプラー宇宙望遠鏡の延長ミッション(K2ミッション)のデータから2019年に惑星「おうし座V1298b」が見つかりました。

※比較として太陽の年齢は46億年です。

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ルイテン98-59系の惑星質量が明らかに

系外惑星観測衛星「TESS」が発見した「ルイテン98-59」系で3つの惑星の質量が測定されました。

ルイテン98-59系の惑星と太陽系の地球型惑星

「ルイテン98-59」(L 98-59)は太陽系から35光年の距離にある太陽系近傍の星の1つで、太陽の約1/3のサイズしかない赤色矮星(低温の小さい恒星)です。この星の周りには2019年に公転周期2.3~7.5日の3つの系外惑星が報告されています。

関連記事:TESSが3つの惑星を発見・地球より小さい惑星も(L 98-59の惑星発見)

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17年間のサーベイで見つかった長周期惑星

オーストラリアで行われていた長期の系外惑星サーベイで2つの惑星を含む天体が見つかりました。

カリフォルニア大に所属する Stephen R. Kane 氏らの研究グループがarXivに投稿した研究(arXiv:1904.12931)は、1998年から2015年に行われた「アングロ・オーストラリアン惑星探査」(AAPS)のデータを用いて惑星や恒星質量の伴星を調べたものです。

AAPSはオーストラリアのサイディング・スプリング天文台にあるアングロ・オーストラリアン望遠鏡(AAT)と「UCLES 」分光器を用いて視線速度法で観測を行ってきました。

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※「UCLES」分光器とは

UCLES (University College London Echelle Spectrograph) とは、1998年から2018年までオーストラリア・サイディングスプリング天文台の「アングロ・オーストラリアン望遠鏡」(AAT, 口径3.9m)に設置れていた観測装置です。開発はイギリスのユニバーシティ・カレッジ・ロンドンのグループによって行われました。

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「第二の地球」発見に立ち塞がる重大な障壁

粒状斑と超粒状斑

地球サイズの居住可能惑星(生物が生息可能な惑星)を太陽に似た恒星に見つけることは、天文学の大きな目標です。

そのような「第二の地球」は、視線速度法(RV法)で観測可能かもしれません。RV法は、惑星の公転に伴い、恒星の視線速度(奥行き方向の速度)が周期的に変わるのを捉える方法です。

関連記事:系外惑星の観測方法#視線速度法

「第二の地球」を見つけるために必要な視線速度の精度は秒速0.1mで、これは2018年にチリのパラナル天文台で本格運用を開始した「ESPRESSO」分光器で達成可能な水準です。

しかし単純な精度の向上のみで惑星が見つかるとは限りません。恒星の視線速度には恒星自体に由来する「ノイズ」が含まれ、惑星に由来する変動を覆い隠すためです。

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視線速度法の観測で一挙15個の惑星候補が見つかる

惑星候補の性質

チリのマゼランII望遠鏡に設置された分光器「PFS」のデータを新たな方法で分析した研究で、15個の惑星候補が見つかりました。15個の中には、木星に似た長周期の惑星や、ハビタブルゾーン内の巨大惑星が含まれます。

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太陽系から最も近い恒星プロキシマに第2の惑星候補が見つかる

太陽系の最も近くにある恒星「プロキシマ」は、太陽と比べて小さく低温の赤色矮星で、2016年に惑星「プロキシマb」が発見されています。今回アメリカで開かれた会合で、2つめの惑星候補「プロキシマc」の発見が報告されました。

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視線速度法で見つかった5つの長周期天体

Rickman et al. 2019 (arXiv:1904.01573) で研究された惑星と褐色矮星。

20年以上続けられている視線速度法のサーベイで、5つの惑星・褐色矮星が見つかりました。これらはいずれも木星より大きな質量を持ち、主恒星の周りを15年以上かけて公転しています。

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赤色矮星グリーゼ685に系外惑星が見つかる

グリーゼ685と太陽系

赤色矮星を観測している「HADES」プログラムで、恒星「グリーゼ685」に地球の9倍の質量を持つ惑星が見つかりました。この発見はイタリアのトリノ天文台に所属する M. Pinamonti 氏らがarXivに投稿したプレプリント(リンク)で伝えました。

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一等星アルデバランの惑星が消える?

アルデバランと太陽の比較

おうし座にある巨星「アルデバラン」には惑星が存在する可能性があるとされてきました。新たな研究で、その根拠とされてきた視線速度の変動は、惑星に由来するものではないことが示されました。

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