膨張した若い系外惑星が見つかる

おうし座V1298系

若い恒星「おうし座V1298」に新たに3つの惑星が見つかりました。これらは平均密度の低い膨張した巨大ガス惑星と見られます。

NASAのジェット推進研究所に所属するTrevor J. David氏らの研究グループがarXivに投稿した論文は、生まれて間もない恒星「おうし座V1298」に3つの系外惑星を発見したことを伝えています。既に知られていた惑星1つと併せて、この系に知られている惑星は4つになりました。

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打ち上げへ向けて準備が進むCHEOPS その実力とは?

「CHEOPS」は今年後半に打ち上げが予定されているヨーロッパの系外惑星観測衛星です。今回この衛星に搭載される観測システムの性能を調べた研究が公開されました。

欧州宇宙機関とスイスが開発を主導し、2019年10~11月に打ち上げが予定されているの「CHEOPS」(ケオプス、CHaracterising ExOPlanet Satellite)は、系外惑星が恒星の手前を横切る「トランジット」を観測する人工衛星です。

これまでトランジット法用に打ち上げられた宇宙機「COROT」「ケプラー」「TESS」は、多くの恒星を同時に観測して新しい系外惑星を見つけることを主眼としていました。一方でCHEOPSは既知の惑星をターゲットに、特定の時刻に特定の天体を指向して観測することで、比較的小型・安価な衛星でありながら、トランジットに伴う光度変化を高い精度で測定することができます。

CHEOPSが性能を発揮するためには、打ち上げに先立って地上(実験室)で実機の特性を検証・較正することが前提です。スイスのジュネーブ大学に所属する A. Deline 氏ら研究チームが8月5日arXivに投稿した研究(arXiv:1908.01636)は、そのような検証の結果を伝えています。

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HD 139139の謎の変光に太陽系外衛星が関連か

変光星HD 139139に見られる不規則な減光を説明するシナリオとして、惑星ではなく衛星が恒星の手前を横切っているという説が提唱されました。

HD 139139の減光の説明

「HD 139139」(別名EPIC 249706694)は、2019年に「ケプラー」宇宙望遠鏡の延長ミッションのデータから見つかった奇妙な変光星です。この星では、手前を横切る系外惑星が恒星の光を遮る「トランジット」に似た一時的な減光が多数記録されました。しかしそこには通常のトランジットに見られるはずの周期性がありませんでした。

関連記事:系外惑星の観測方法#トランジット法

関連記事:謎の変光星 HD 139139

発見者のRappaport氏らは変光の原因としていくつかの説を考えたものの、いずれも減光パターンと周期性の欠如を同時に満たせないどの問題を抱えていました。

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374個の惑星候補が新たにケプラー延長ミッションのデータから見つかる

ケプラーの延長ミッションに当たるK2ミッションのデータを再分析した研究で、818個の惑星候補が検出されました。うち374個はこれまで知られていなかったものです。

「ケプラー」宇宙望遠鏡は、系外惑星が恒星の手前を横切る際に恒星の光を遮る現象(トランジット)を通じて惑星を観測するために打ち上げられました。2009年から2013年に行われた主要ミッションと、2014年から2018年に延長ミッションとして行われた「K2ミッション」のデータからは現在も新たな発見が続いています。

関連記事:系外惑星の観測方法#トランジット法

NASAのゴダード宇宙飛行センターに所属する Ethan Kruse 氏らアメリカの研究チームがarXivに投稿した研究(arXiv:1907.10806)は、2013年にCarter氏とAgol氏が開発した「QATS」と呼ばれるアルゴリズムを用いて、K2ミッションのデータを再分析したものです。Agol氏は今回の研究にも共著者として名を連ねています。

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4つの惑星がケプラー延長ミッションのデータに埋もれていた理由

K2ミッションのデータを再分析した研究で、3つの惑星系に4つの惑星が新たに確認されました。これらの系ではそれぞれ異なる理由で惑星の発見が妨げられていました。

Hedges et al. 2019で研究された惑星系。

「ケプラー」宇宙望遠鏡は恒星の手前を横切る系外惑星が恒星の光を遮ること(=トランジット)を利用して惑星を探しました。2014年から2018年に延長ミッションとして行われた「K2ミッション」では指向精度の低下を抱えながら、1か所当たり約80日間の比較的短期間の観測が行われました。

2018年に打ち上げられた系外惑星観測衛星「TESS」はいくつかの点でケプラーの主要ミッションよりもK2ミッションに似ています。TESSは設計上ケプラーより指向精度が劣り、観測期間も一か所当たり27日に過ぎません。これらのことから、K2ミッションはTESSのデータを活用する上で大いに参考になると考えられています。

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ケプラー延長ミッションの初期データから惑星候補が見つかる

ケプラー宇宙望遠鏡の延長ミッションのデータから、高温の主星の周りを回る天体が見つかりました。この天体が惑星なのか褐色矮星なのかは分かっていません。

2014年から2018年まで行われていた「K2ミッション」は、「ケプラー」宇宙望遠鏡の延長ミッションに当たります。K2は主要ミッションと同様にトランジット法で系外惑星を見つけることを主な目的としましたが、最初の観測である「キャンペーン0」(C0, 2014年3~5月)は、ふたご座の方角にある2つの散開星団(M35とNGC2158)を対象とし、主に性能確認や星団・変光星の研究に用いられました。

関連記事:系外惑星の観測方法#トランジット法

米ウィルコックスハイスクールに所属する S. Dholakia 氏らがarXivに投稿した研究(arXiv:1907.06662)は、C0のデータから新たに低質量の伴星を発見したことを伝えています。

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TTV法で見つかった惑星ケプラー82f

4つの惑星が知られているケプラー82系に新たに地球の21倍の質量を持つ惑星が見つかりました。

TTVのイメージ

ドイツのゲオルク・アウグスト大学ゲッティンゲンに所属する J. Freudenthal 氏らの国際グループがarXivに投稿した研究(arXiv:1907.06534)は、NASAの「ケプラー」宇宙望遠鏡の観測で既に4つの系外惑星が見つかっている「ケプラー82系」に、第5の惑星を発見したことを伝えています。

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TESSのデータから人工知能を用いて3つの惑星候補を発見

TESS衛星が記録した惑星トランジットの発生時刻を分析することで、これまで知られていなかった3つの惑星候補が見つかりました。研究には人工知能が補助的に用いられました。

TTVのイメージ

惑星が主恒星の手前を横切ることをトランジットといいます。トランジットに伴う恒星の減光を観測するトランジット法は、「ケプラー」宇宙望遠鏡・「TESS」衛星や地上の複数の系外惑星サーベイで用いられ、大きな成果を挙げています。

関連記事:系外惑星の観測方法#トランジット法

通常、トランジットは等間隔で起きますが、1つの恒星の周りに複数の惑星がある場合、トランジットの発生時刻が半周期的に変動することがあります。この「トランジット時刻変動(TTV)」を調べれば、トランジットを起こさない軌道にある未知の惑星を見つけることができます。

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TESSが蒸発する微惑星を観測

恒星「HD 240779」の周りで蒸発しつつある小天体が、TESSの観測で見つかりました。この恒星は誕生後1.25億年が経過した若い星で、地球型惑星形成の最終段階にあると見られます。

惑星のトランジットと塵の塊のトランジットの違い。

ハワイ大学マノア校に所属する E. Gaidos 氏らの研究チームが7月4日にarXivに投稿した研究(arXiv:1907.02476)は、系外惑星観測衛星「TESS」の観測データを用いて変光星「HD 240779」を研究したものです。

太陽系から310光年の距離にある「HD 240779」は、太陽とほとんど同じ質量・温度をもつ恒星ですが、形成から1億2500万年しか経過していません。また連星系に属するという点でも太陽と異なります。伴星のBD+10714Bは現在数百天文単位(地球と太陽の距離の数百倍)離れた位置にあります。

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謎の変光星 HD 139139

ケプラー宇宙望遠鏡の観測で恒星「HD 139139」(EPIC 249706694)に見つかった変光は、惑星のトランジットに似ていますが、周期性の無い奇妙なものです。

HD 139139の減光。

2009年に打ち上げられたNASAの「ケプラー」宇宙望遠鏡は、主要ミッション(2009~2013年)と延長ミッション(K2ミッション, 2014~2018年)で数千個の惑星と惑星候補を発見しました。惑星だけでなく変光星の研究にもそのデータは用いられています。

マサチューセッツ工科大学に所属する S. Rappaport 氏らのグループが6月26日にarXivに投稿したプレプリント(arXiv:1906.11268)では、K2ミッションのデータから奇妙な変光星を見つけたことが伝えられています。「HD 139139」(別名 EPIC 249706694)と呼ばれるこの天体は太陽系から351光年先にある連星系です。

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赤い三連星に惑星が見つかる

TESSの観測で赤色矮星の3連星の中に地球型惑星が見つかりました。太陽系近傍にあるこの惑星系は、惑星大気の観測ターゲットとして有望です。

LTT 1445 A系と太陽系の比較

ハーバード・スミソニアン天体物理学センターに所属する Jennifer G. Winters 氏らがarXivに投稿した研究(arXiv:1906.10147)は、太陽系近傍の連星系「LTT 1445」に系外惑星を発見したことを伝えています。

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低温の赤色矮星LP 791-18に惑星見つかる

系外惑星観測衛星TESSが赤色矮星「LP 791-18」の周りに2つの惑星を見つけました。LP 791-18はこれまで惑星が知られている赤色矮星の中でも3番目に温度が低い天体です。

LP 791-18の惑星の日射量とサイズ。

「LP 791-18」は太陽系から86光年の距離にある赤色矮星(質量の小さい低温の恒星)です。半径は太陽の6分の1しかなく、赤色矮星の中でも小さい部類に入ります。

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散開星団に含まれる恒星に系外惑星を見つけた思ったら星団とは無関係だった件

新たに見つかった惑星系は、当初は散開星団に含まれていると考えられていましたが、実際には無関係でした。

1か所で生まれた恒星の群れが離散しつつある星団を散開星団と言います。このような若い星団の恒星にみられる惑星を調べれば、惑星系が時間と共にどのように変化していくのかを知る手掛かりが得られます。

米コロンビア大に所属するRayna Rampalli 氏らの研究グループが6月6日にarXivに投稿した研究(arXiv:1906.02395)は、散開星団の近くにある恒星「EPIC 246865365」に系外惑星を発見したことを伝えています。この惑星「EPIC 246865365 b」は、ケプラー宇宙望遠鏡の延長ミッションに当たるK2ミッション(2014~2018年)でトランジット法を用いて惑星候補として検出されたものです。

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ホットジュピターはどれだけ珍しいのか?最新の推定

ホットジュピター(高温の木星型惑星)がどの程度の頻度で存在しているかTESSの観測データから推定されました。

ホットジュピターの存在頻度

ホットジュピターとは、軌道が小さく温度が高い木星型惑星(巨大ガス惑星)です。初期に見つかった系外惑星にはホットジュピターが多く含まれていましたが、観測が進むと珍しい惑星であることが明らかになりました。

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