膨張した若い系外惑星が見つかる

おうし座V1298系

若い恒星「おうし座V1298」に新たに3つの惑星が見つかりました。これらは平均密度の低い膨張した巨大ガス惑星と見られます。

NASAのジェット推進研究所に所属するTrevor J. David氏らの研究グループがarXivに投稿した論文は、生まれて間もない恒星「おうし座V1298」に3つの系外惑星を発見したことを伝えています。既に知られていた惑星1つと併せて、この系に知られている惑星は4つになりました。

“膨張した若い系外惑星が見つかる” の続きを読む

K2-138系の惑星質量

K2-138系の惑星

6つの惑星が知られている「K2-138」系の惑星質量が地上からの観測で明らかになりました。

「K2-138」系は「ケプラー」宇宙望遠鏡の延長ミッションに当たる「K2ミッション」で6つの惑星が見つかた惑星系です。この系には、惑星の公転周期が整数比に近くなる「軌道共鳴」が見られ、特に内側5つの惑星が公転周期約2:3の比で連なっていることが特徴です。

“K2-138系の惑星質量” の続きを読む

小惑星帯から海王星に相当する軌道を往復する巨大惑星

視線速度法の観測で潰れた楕円軌道を約70年かけて公転する惑星「HR 5183 b」が発見されました。この星はこれまでに視線速度法で見つかった中で最も長い公転周期を持ちます。

HR 5183 bと太陽系の木星型惑星・天王星型惑星の軌道の比較。

カリフォルニア工科大学に所属する Sarah Blunt 氏らがarXivに投稿した研究(arXiv:1909.09925)は、恒星「HR 5183」に視線速度法(RV法)で惑星「HR 5183 b」を発見したことを伝えています。

RV法は惑星の公転に伴って主恒星の視線速度(奥行き方向の速度)が変わることをドップラー効果を通じて調べる方法です。惑星が真円軌道をもつケースでは視線速度は単純な波形(サイン曲線)に沿って変動しますが、楕円軌道の場合は歪んだ形になります。

関連記事:系外惑星の観測方法#視線速度法

太陽に似た比較的明るい恒星HR 5183は、1997年からRV法で観測されてきました。10年以上に渡ってHR 5183にはほとんど変化が見られませんでしたが、2015年頃から視線速度が増加を始め、2018年に元の値より約90m/s高いピークに達した後、減少に転じました。

“小惑星帯から海王星に相当する軌道を往復する巨大惑星” の続きを読む

公転周期の長いサブネプチューンの質量が測定される

ケプラー宇宙望遠鏡が発見した惑星「ケプラー538b」の質量が測定されました。この星は81.7日という比較的長い公転周期を持ち、周期50日以上の質量が測定された系外惑星として最小の天体となりました。

視線速度法は系外惑星の質量を調べるための代表的な手段ですが、これまでそのターゲットは質量が大きいか公転周期が短い惑星が中心でした。

カリフォルニア大学に所属する Andrew W. Mayo 氏らの国際研究グループがarXivに投稿したプレプリント(arXiv:1908.08585)は、ケプラー宇宙望遠鏡が2016年に発見した惑星「ケプラー538b」の質量を視線速度法で測定したものです。

“公転周期の長いサブネプチューンの質量が測定される” の続きを読む

太陽系近傍の赤色矮星にハビタブル惑星候補が見つかる

太陽系近傍にある恒星「GJ 1061」の周りに3つの地球型惑星候補が見つかりました。そのうち少なくとも1つでは、惑星表面に液体の水が存在できるかもしれません。

独ゲオルク・アウグスト大学に所属する S. Dreizler氏らヨーロッパとチリの研究者からなるグループがarXivに投稿した研究(arXiv:1908.04717)は、太陽系近傍の恒星「GJ 1061」(別名ルイテン372-58)に3つの惑星候補を見つけたことを伝えています。

GJ 1061は太陽から12光年の距離にある赤色矮星(低温の小さい恒星)で、質量は太陽の12%・半径は16%しかありません。この星の質量やサイズは、太陽系最至近の恒星として知られるプロキシマ・ケンタウリに似ています。

“太陽系近傍の赤色矮星にハビタブル惑星候補が見つかる” の続きを読む

乾いた惑星を硫黄を通じて見分ける方法

大気中の硫黄化合物の観測を通じて、惑星表面に海が存在するかどうかを検証できるとされています。

惑星が海を持つための基礎的な要件は、惑星が地球の数分の1~数倍の質量を持つ岩石惑星で、なおかつ恒星から適度な放射エネルギーを受け取る軌道範囲(ハビタブルゾーン)にあることです。惑星質量や軌道は現時点の観測技術で容易に手が届く一方、これらはあくまで基礎的な条件に過ぎません。

ハーバード大に所属する Kaitlyn Loftus 氏らアメリカの研究チームがarXivに投稿した研究(arXiv:1908.02769)は、惑星大気中の硫黄化合物を検出することで海を持たない惑星を見分ける方法について述べています。

“乾いた惑星を硫黄を通じて見分ける方法” の続きを読む

374個の惑星候補が新たにケプラー延長ミッションのデータから見つかる

ケプラーの延長ミッションに当たるK2ミッションのデータを再分析した研究で、818個の惑星候補が検出されました。うち374個はこれまで知られていなかったものです。

「ケプラー」宇宙望遠鏡は、系外惑星が恒星の手前を横切る際に恒星の光を遮る現象(トランジット)を通じて惑星を観測するために打ち上げられました。2009年から2013年に行われた主要ミッションと、2014年から2018年に延長ミッションとして行われた「K2ミッション」のデータからは現在も新たな発見が続いています。

関連記事:系外惑星の観測方法#トランジット法

NASAのゴダード宇宙飛行センターに所属する Ethan Kruse 氏らアメリカの研究チームがarXivに投稿した研究(arXiv:1907.10806)は、2013年にCarter氏とAgol氏が開発した「QATS」と呼ばれるアルゴリズムを用いて、K2ミッションのデータを再分析したものです。Agol氏は今回の研究にも共著者として名を連ねています。

“374個の惑星候補が新たにケプラー延長ミッションのデータから見つかる” の続きを読む

4つの惑星がケプラー延長ミッションのデータに埋もれていた理由

K2ミッションのデータを再分析した研究で、3つの惑星系に4つの惑星が新たに確認されました。これらの系ではそれぞれ異なる理由で惑星の発見が妨げられていました。

Hedges et al. 2019で研究された惑星系。

「ケプラー」宇宙望遠鏡は恒星の手前を横切る系外惑星が恒星の光を遮ること(=トランジット)を利用して惑星を探しました。2014年から2018年に延長ミッションとして行われた「K2ミッション」では指向精度の低下を抱えながら、1か所当たり約80日間の比較的短期間の観測が行われました。

2018年に打ち上げられた系外惑星観測衛星「TESS」はいくつかの点でケプラーの主要ミッションよりもK2ミッションに似ています。TESSは設計上ケプラーより指向精度が劣り、観測期間も一か所当たり27日に過ぎません。これらのことから、K2ミッションはTESSのデータを活用する上で大いに参考になると考えられています。

“4つの惑星がケプラー延長ミッションのデータに埋もれていた理由” の続きを読む

ケプラー延長ミッションの初期データから惑星候補が見つかる

ケプラー宇宙望遠鏡の延長ミッションのデータから、高温の主星の周りを回る天体が見つかりました。この天体が惑星なのか褐色矮星なのかは分かっていません。

2014年から2018年まで行われていた「K2ミッション」は、「ケプラー」宇宙望遠鏡の延長ミッションに当たります。K2は主要ミッションと同様にトランジット法で系外惑星を見つけることを主な目的としましたが、最初の観測である「キャンペーン0」(C0, 2014年3~5月)は、ふたご座の方角にある2つの散開星団(M35とNGC2158)を対象とし、主に性能確認や星団・変光星の研究に用いられました。

関連記事:系外惑星の観測方法#トランジット法

米ウィルコックスハイスクールに所属する S. Dholakia 氏らがarXivに投稿した研究(arXiv:1907.06662)は、C0のデータから新たに低質量の伴星を発見したことを伝えています。

“ケプラー延長ミッションの初期データから惑星候補が見つかる” の続きを読む

赤色矮星の活動性と惑星の居住可能性

赤色矮星の惑星では赤色矮星の活動性が惑星の大気に大きな影響を与え、活動性が低い場合はこれまで考えられていたより生命の存在に適していることが示されました。

惑星の表面に液体の水が保たれるには、惑星が恒星に近すぎず遠すぎない軌道を持たなければなりません。恒星の周りでこの条件を満たす領域をハビタブルゾーン(HZ)といいます。HZは恒星の性質に影響され、光度の小さい赤色矮星(低温の小さい恒星)ではその範囲は恒星に近い位置になります。

米ノースウエスタン大に所属する Howerd Chen 氏らの研究グループがarXivに投稿した研究(arXiv:1907.10048)は、赤色矮星のHZにある惑星の気候を、大気中の化学反応を詳細に取り入れたシミュレーションを用いて調べたものです。

“赤色矮星の活動性と惑星の居住可能性” の続きを読む

TTV法で見つかった惑星ケプラー82f

4つの惑星が知られているケプラー82系に新たに地球の21倍の質量を持つ惑星が見つかりました。

TTVのイメージ

ドイツのゲオルク・アウグスト大学ゲッティンゲンに所属する J. Freudenthal 氏らの国際グループがarXivに投稿した研究(arXiv:1907.06534)は、NASAの「ケプラー」宇宙望遠鏡の観測で既に4つの系外惑星が見つかっている「ケプラー82系」に、第5の惑星を発見したことを伝えています。

“TTV法で見つかった惑星ケプラー82f” の続きを読む

赤色矮星の惑星「LSPM J2116+0234 b」

「CARMENES」分光器を用いた研究で、赤色矮星「LSPM J2116+0234」の周りに新たに惑星が見つかりました。

「CARMENES」はスペインのカラルアルト天文台3.5m望遠鏡に設置された分光器です。この装置は赤色矮星(低温の小さい恒星)の周りにある惑星を視線速度法で観測するのに最適で、2016年から赤色矮星を対象にした大規模サーベイを行っています。

関連記事:系外惑星の観測方法#視線速度法

ドイツのゲオルク・アウグスト大学に所属するS. Lalitha氏らが『アストロノミー・アンド・アストロフィジックス』に投稿した研究(リンク)は、CARMENESサーベイのターゲットに含まれる2つの赤色矮星「グリーゼ686」と「LSPM J2116+0234」について成果を伝えています。グリーゼ686では既知の惑星を再観測し、「LSPM J2116+0234」では新たに惑星を発見しました。

“赤色矮星の惑星「LSPM J2116+0234 b」” の続きを読む

TESSのデータから人工知能を用いて3つの惑星候補を発見

TESS衛星が記録した惑星トランジットの発生時刻を分析することで、これまで知られていなかった3つの惑星候補が見つかりました。研究には人工知能が補助的に用いられました。

TTVのイメージ

惑星が主恒星の手前を横切ることをトランジットといいます。トランジットに伴う恒星の減光を観測するトランジット法は、「ケプラー」宇宙望遠鏡・「TESS」衛星や地上の複数の系外惑星サーベイで用いられ、大きな成果を挙げています。

関連記事:系外惑星の観測方法#トランジット法

通常、トランジットは等間隔で起きますが、1つの恒星の周りに複数の惑星がある場合、トランジットの発生時刻が半周期的に変動することがあります。この「トランジット時刻変動(TTV)」を調べれば、トランジットを起こさない軌道にある未知の惑星を見つけることができます。

“TESSのデータから人工知能を用いて3つの惑星候補を発見” の続きを読む

奇妙な大気を持つ海王星サイズの惑星GJ 3470 b

系外惑星「GJ 3470 b」を調べた研究で、この惑星の大気は木星や土星に似ているものの、メタンがほとんど含まれない奇妙な組成を持つことが分かりました。

2012年に発見された系外惑星「GJ 3470 b」は、地球の4倍のサイズ(半径)と13倍の質量を持ち、3.3日周期で太陽系近傍の赤色矮星(質量の小さい恒星)の周りを公転しています。この惑星は大気の観測に適した条件が整っているため、繰り返し研究のターゲットとなってきました。

カナダのモントリオール大学に所属する Björn Benneke 氏らのグループが『ネイチャー・アストロノミー』に投稿した論文(リンク)は、「ハッブル宇宙望遠鏡」と「スピッツァー宇宙望遠鏡」の観測データを用いて、GJ 3470 bの大気を調べたものです。

“奇妙な大気を持つ海王星サイズの惑星GJ 3470 b” の続きを読む