膨張した若い系外惑星が見つかる

おうし座V1298系

若い恒星「おうし座V1298」に新たに3つの惑星が見つかりました。これらは平均密度の低い膨張した巨大ガス惑星と見られます。

NASAのジェット推進研究所に所属するTrevor J. David氏らの研究グループがarXivに投稿した論文は、生まれて間もない恒星「おうし座V1298」に3つの系外惑星を発見したことを伝えています。既に知られていた惑星1つと併せて、この系に知られている惑星は4つになりました。

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小惑星帯から海王星に相当する軌道を往復する巨大惑星

視線速度法の観測で潰れた楕円軌道を約70年かけて公転する惑星「HR 5183 b」が発見されました。この星はこれまでに視線速度法で見つかった中で最も長い公転周期を持ちます。

HR 5183 bと太陽系の木星型惑星・天王星型惑星の軌道の比較。

カリフォルニア工科大学に所属する Sarah Blunt 氏らがarXivに投稿した研究(arXiv:1909.09925)は、恒星「HR 5183」に視線速度法(RV法)で惑星「HR 5183 b」を発見したことを伝えています。

RV法は惑星の公転に伴って主恒星の視線速度(奥行き方向の速度)が変わることをドップラー効果を通じて調べる方法です。惑星が真円軌道をもつケースでは視線速度は単純な波形(サイン曲線)に沿って変動しますが、楕円軌道の場合は歪んだ形になります。

関連記事:系外惑星の観測方法#視線速度法

太陽に似た比較的明るい恒星HR 5183は、1997年からRV法で観測されてきました。10年以上に渡ってHR 5183にはほとんど変化が見られませんでしたが、2015年頃から視線速度が増加を始め、2018年に元の値より約90m/s高いピークに達した後、減少に転じました。

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太陽系近傍の赤色矮星にハビタブル惑星候補が見つかる

太陽系近傍にある恒星「GJ 1061」の周りに3つの地球型惑星候補が見つかりました。そのうち少なくとも1つでは、惑星表面に液体の水が存在できるかもしれません。

独ゲオルク・アウグスト大学に所属する S. Dreizler氏らヨーロッパとチリの研究者からなるグループがarXivに投稿した研究(arXiv:1908.04717)は、太陽系近傍の恒星「GJ 1061」(別名ルイテン372-58)に3つの惑星候補を見つけたことを伝えています。

GJ 1061は太陽から12光年の距離にある赤色矮星(低温の小さい恒星)で、質量は太陽の12%・半径は16%しかありません。この星の質量やサイズは、太陽系最至近の恒星として知られるプロキシマ・ケンタウリに似ています。

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374個の惑星候補が新たにケプラー延長ミッションのデータから見つかる

ケプラーの延長ミッションに当たるK2ミッションのデータを再分析した研究で、818個の惑星候補が検出されました。うち374個はこれまで知られていなかったものです。

「ケプラー」宇宙望遠鏡は、系外惑星が恒星の手前を横切る際に恒星の光を遮る現象(トランジット)を通じて惑星を観測するために打ち上げられました。2009年から2013年に行われた主要ミッションと、2014年から2018年に延長ミッションとして行われた「K2ミッション」のデータからは現在も新たな発見が続いています。

関連記事:系外惑星の観測方法#トランジット法

NASAのゴダード宇宙飛行センターに所属する Ethan Kruse 氏らアメリカの研究チームがarXivに投稿した研究(arXiv:1907.10806)は、2013年にCarter氏とAgol氏が開発した「QATS」と呼ばれるアルゴリズムを用いて、K2ミッションのデータを再分析したものです。Agol氏は今回の研究にも共著者として名を連ねています。

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4つの惑星がケプラー延長ミッションのデータに埋もれていた理由

K2ミッションのデータを再分析した研究で、3つの惑星系に4つの惑星が新たに確認されました。これらの系ではそれぞれ異なる理由で惑星の発見が妨げられていました。

Hedges et al. 2019で研究された惑星系。

「ケプラー」宇宙望遠鏡は恒星の手前を横切る系外惑星が恒星の光を遮ること(=トランジット)を利用して惑星を探しました。2014年から2018年に延長ミッションとして行われた「K2ミッション」では指向精度の低下を抱えながら、1か所当たり約80日間の比較的短期間の観測が行われました。

2018年に打ち上げられた系外惑星観測衛星「TESS」はいくつかの点でケプラーの主要ミッションよりもK2ミッションに似ています。TESSは設計上ケプラーより指向精度が劣り、観測期間も一か所当たり27日に過ぎません。これらのことから、K2ミッションはTESSのデータを活用する上で大いに参考になると考えられています。

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ケプラー延長ミッションの初期データから惑星候補が見つかる

ケプラー宇宙望遠鏡の延長ミッションのデータから、高温の主星の周りを回る天体が見つかりました。この天体が惑星なのか褐色矮星なのかは分かっていません。

2014年から2018年まで行われていた「K2ミッション」は、「ケプラー」宇宙望遠鏡の延長ミッションに当たります。K2は主要ミッションと同様にトランジット法で系外惑星を見つけることを主な目的としましたが、最初の観測である「キャンペーン0」(C0, 2014年3~5月)は、ふたご座の方角にある2つの散開星団(M35とNGC2158)を対象とし、主に性能確認や星団・変光星の研究に用いられました。

関連記事:系外惑星の観測方法#トランジット法

米ウィルコックスハイスクールに所属する S. Dholakia 氏らがarXivに投稿した研究(arXiv:1907.06662)は、C0のデータから新たに低質量の伴星を発見したことを伝えています。

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TTV法で見つかった惑星ケプラー82f

4つの惑星が知られているケプラー82系に新たに地球の21倍の質量を持つ惑星が見つかりました。

TTVのイメージ

ドイツのゲオルク・アウグスト大学ゲッティンゲンに所属する J. Freudenthal 氏らの国際グループがarXivに投稿した研究(arXiv:1907.06534)は、NASAの「ケプラー」宇宙望遠鏡の観測で既に4つの系外惑星が見つかっている「ケプラー82系」に、第5の惑星を発見したことを伝えています。

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赤色矮星の惑星「LSPM J2116+0234 b」

「CARMENES」分光器を用いた研究で、赤色矮星「LSPM J2116+0234」の周りに新たに惑星が見つかりました。

「CARMENES」はスペインのカラルアルト天文台3.5m望遠鏡に設置された分光器です。この装置は赤色矮星(低温の小さい恒星)の周りにある惑星を視線速度法で観測するのに最適で、2016年から赤色矮星を対象にした大規模サーベイを行っています。

関連記事:系外惑星の観測方法#視線速度法

ドイツのゲオルク・アウグスト大学に所属するS. Lalitha氏らが『アストロノミー・アンド・アストロフィジックス』に投稿した研究(リンク)は、CARMENESサーベイのターゲットに含まれる2つの赤色矮星「グリーゼ686」と「LSPM J2116+0234」について成果を伝えています。グリーゼ686では既知の惑星を再観測し、「LSPM J2116+0234」では新たに惑星を発見しました。

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TESSのデータから人工知能を用いて3つの惑星候補を発見

TESS衛星が記録した惑星トランジットの発生時刻を分析することで、これまで知られていなかった3つの惑星候補が見つかりました。研究には人工知能が補助的に用いられました。

TTVのイメージ

惑星が主恒星の手前を横切ることをトランジットといいます。トランジットに伴う恒星の減光を観測するトランジット法は、「ケプラー」宇宙望遠鏡・「TESS」衛星や地上の複数の系外惑星サーベイで用いられ、大きな成果を挙げています。

関連記事:系外惑星の観測方法#トランジット法

通常、トランジットは等間隔で起きますが、1つの恒星の周りに複数の惑星がある場合、トランジットの発生時刻が半周期的に変動することがあります。この「トランジット時刻変動(TTV)」を調べれば、トランジットを起こさない軌道にある未知の惑星を見つけることができます。

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最遠の多重惑星系が見つかる

太陽系から2万3000光年離れた位置に、マイクロレンズ法の観測で2つの巨大ガス惑星を含む惑星系が見つかりました。

5つのマイクロレンズサーベイ

韓国の忠北大学に所属する Cheongho Han 氏らの研究グループがarXivに投稿した研究(arXiv:1907.01741)は、赤色矮星(低質量の恒星)と2つの巨大ガス惑星からなる惑星系「OGLE-2018-BLG-1011L」をマイクロレンズ法で発見したことを伝えています。

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最小の相対質量を持つマイクロレンズ惑星

地球の約6倍の質量を持つ惑星がマイクロレンズ法で発見されました。これまでに同法で見つかった惑星として最も相対質量が小さい天体です。

マックス・プランク天文学研究所とオハイオ州立大に所属する Andrew Gould 氏らのグループがarXivに投稿した研究(arXiv:1906.11183)は、マイクロレンズ法で系外惑星「KMT-2018-BLG-0029Lb」を発見したことを伝えています。マイクロレンズとは、光源天体の手前を別の無関係な天体(レンズ)が通過した時に、観測される光度が一時的に明るくなる現象です。

関連記事:系外惑星の観測方法#マイクロレンズ法

この惑星に関連したマイクロレンズイベント「KMT-2018-BLG-0029」は2018年5月30日に「KMTNet」によって発見され、「スピッツァー」宇宙望遠鏡の運用チームに通知されました。スピッツァーは7月にこのイベントの記録を始めました。

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赤い三連星に惑星が見つかる

TESSの観測で赤色矮星の3連星の中に地球型惑星が見つかりました。太陽系近傍にあるこの惑星系は、惑星大気の観測ターゲットとして有望です。

LTT 1445 A系と太陽系の比較

ハーバード・スミソニアン天体物理学センターに所属する Jennifer G. Winters 氏らがarXivに投稿した研究(arXiv:1906.10147)は、太陽系近傍の連星系「LTT 1445」に系外惑星を発見したことを伝えています。

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低温の赤色矮星LP 791-18に惑星見つかる

系外惑星観測衛星TESSが赤色矮星「LP 791-18」の周りに2つの惑星を見つけました。LP 791-18はこれまで惑星が知られている赤色矮星の中でも3番目に温度が低い天体です。

LP 791-18の惑星の日射量とサイズ。

「LP 791-18」は太陽系から86光年の距離にある赤色矮星(質量の小さい低温の恒星)です。半径は太陽の6分の1しかなく、赤色矮星の中でも小さい部類に入ります。

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ALMAが成長中の惑星を発見か

南米チリにある「ALMA」電波望遠鏡の観測で、恒星「HD 100546」の周囲に成長中の原始惑星と見られる電波源が見つかりました。

HD 100546は太陽系から はえ座の方角に320光年離れた位置にある若い恒星です。この星は太陽の約2倍の質量を持ち、恒星を取り囲む塵とガスの円盤(原始惑星系円盤)の中で惑星系が作られつつあります。

HD 100546の円盤は幅の広い隙間で内側と外側に隔てられています。赤外線を用いた研究では、惑星が存在する可能性があると報告されていますが、今のところ確実なものではありません。

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2つの観測プロジェクトがホットジュピターを発見

「KELT」「MASCARA」の2つのプロジェクトが比較的明るい恒星の周りに大質量のホットジュピターを発見しました。

太陽・HD 93148とその惑星のサイズ比較。

米ハーバード・スミソニアン天体物理学センターに所属する Josef E. Rodriguez 氏らのグループと、デンマークのオーフス大学に所属するM. Hjorth氏らのグループがそれぞれarXivに投稿した研究(arXiv:1906.03276, arXiv:1906.05254)は、比較的明るい恒星の周りに新たにホットジュピター(高温の木星型惑星)を見つけたことを伝えています。

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