多重惑星系の外側に楕円軌道の木星型惑星が見つかる

ケプラー65の視線速度

すでに3つの惑星が知られている「ケプラー65」系に、新たに木星型惑星が見つかりました。この惑星は木星の6割以上の質量をもち、260日周期で楕円軌道を公転しています。


惑星の発見はカリフォルニア工科大に所属する Sean M. Mills氏らの研究グループがarXivで報告しました。

ケプラー65系には、NASAの「ケプラー」宇宙望遠鏡の観測で2011年に3つの惑星(b・c・d)が見つかっています。これらの惑星は地球の1.4倍から2.6倍のサイズを持つ比較的小さな惑星です。

3つの惑星が発見された後、研究グループは「カリフォルニア惑星探査」 (CPS) プロジェクトの一環として、ハワイのケック望遠鏡に備え付けられた「HIRES」分光器を用いてケプラー65の視線速度を観測してきました。

関連記事:系外惑星の観測方法#視線速度法

木星型惑星の発見

ケプラー65の視線速度
HIRESが観測したケプラー65の視線速度。

今回研究グループがデータを分析したところ、視線速度に約260日周期の変動が見つかりました。このことから既知の惑星の外側に木星の6割の質量を持つ木星型惑星(巨大ガス惑星)が存在することが分かりました。新しい惑星は「ケプラー65e」と名付けられました。

内側の3つの惑星は公転周期がいずれも10日以下で、これらの惑星と巨大惑星で1桁以上の公転周期の違いがあることになります。

観測された変動のパターンは、ケプラー65eが中程度の楕円軌道を持つこと示しています。ケプラー65eのような、複数の小さい惑星の外側に存在する木星型惑星は、真円に近い軌道を持つ傾向が知られています。ケプラー65eはこの種の惑星としては最も潰れた楕円軌道をもつ天体の1つです。

内側の惑星

ケプラー65系と太陽系
ケプラー65系(上)と太陽系の地球型惑星の比較。円のサイズは惑星の半径、横軸は地球を1とした日射量(対数スケール)を表す。半径が測定されていないケプラー65e(右上)は地球の9倍と仮定している。

研究チームは内側の3つの惑星(惑星b・c・d)についても調べました。これらの星は視線速度法では観測できませんでしたが、研究チームはTTV法に基づいてケプラーの記録を再分析し、より詳しい質量を確かめました。

関連記事:系外惑星の観測方法#TTV法

惑星cは地球の5.4倍の質量と低めの密度(1.6g/cm3)を持ち、水素・ヘリウムの外層を持つ「サブネプチューン」とみられます。一方で、惑星dは地球の4.1倍の質量を持ちますが、推定される密度は誤差が大きく、この惑星が「サブネプチューン」なのか「スーパーアース」(岩石惑星)なのかは明らかではありません。なお最も内側の惑星bはTTV法では質量はほとんど分かりませんでした。


研究グループは同じ論文で別の2つの惑星系「ケプラー25」「ケプラー68」の観測結果も報告しています。これらでは既知の惑星の物理的性質や軌道が精確に調べられたほか、ケプラー68では不確実ながら新たに長周期の惑星候補が見つかりました。

研究グループは、今回のケプラー65の例のように、既知の惑星系の外側に長周期の惑星が存在するかどうかを調べることで、惑星形成のメカニズムを絞り込むことができるとしています。

関連記事:太陽系外惑星発見ニュースの一覧

Mills氏らの研究は2019年3月17日にarXivに投稿され、19日に公開されました。コメントによると論文は『アストロノミカルジャーナル』に受理され掲載予定ということです。

参考文献

  • Mills, S. M., et al., 2019, “Long-Period Giant Companions to Three Compact, Multiplanet Systems”, arXiv:1903.07186v1.

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。