地球は普通の岩石惑星なのか?

恒星の元素組成に基づいてその周りに存在しうる岩石惑星(地球型惑星)の組成を調べた研究で、地球は岩石惑星としてごくありふれた組成を持つことが分かりました。

岩石惑星の成層構造と主な化学組成

岩石惑星(地球型惑星)を形作る岩石の種類は、惑星の元素組成に影響されます。元素組成は惑星系毎に異なるため、太陽系外には地球では見られない岩石からなる岩石惑星があるかもしれません。

カリフォルニア州立大学フレズノ校に所属する Keith D. Putirka 氏と John C. Rarick 氏がarXivに投稿したプレプリント(arXiv:1907.05506)は、太陽系近傍の恒星の元素組成をまとめた「Hypatia」カタログに基づき、太陽系外にどのような組成の岩石惑星が存在しうるのかを調べたものです。研究では特に岩石惑星の体積の大部分を占めるマントルに着目しています。


太陽系の岩石惑星の組成は、太陽組成から揮発性物質を差し引いたものを概ね反映することが知られています。これは、恒星の元素組成を調べれば、その周りにある岩石惑星の組成を間接的に推定できることを意味しています。

研究ではこの考えを元に、「Hypatia」カタログにデータが記載されている4000個以上の恒星について、その周りに存在する仮想的な惑星でどのような岩石がマントルを構成しているかを調べました。

岩石惑星の成層構造と主な化学組成
岩石惑星の成層構造と主な化学組成

マントルの組成と惑星の核

「マントルの組成」を知るには惑星全体の組成だけでは不十分です。マントルの組成は惑星の核に大きな影響を受けるからです。惑星に含まれる鉄は核に集まるため、マントルは低い割合でしか鉄 (Fe) を含めません。

核がどれだけ効率的に鉄を取り込むかは惑星毎に異なるようです。核に取り込まれずにマントルに残った鉄原子の割合を見ると、水星ではほぼ0%・地球では約30%・火星では約50%と推定されています。これらの違いがなぜ起きるのかは詳しく分かっていません。

研究では、個々の惑星についてマントルに分配される鉄の割合を決めるのではなく、異なる割合で計算を行い、核の形成がマントルの組成にどう影響するかを調べるアプローチを採っています。

結果

結果として、大半の岩石惑星のマントルは地球と似た岩石からなることが分かりました。別の言い方をすれば、地球のマントルは岩石惑星としてはごくありふれたものです。

地球の上部マントルを占める「カンラン」は、主に「カンラン」と「輝石」の二種類の鉱物からなり、カンラン石の方が多く含まれています。

研究では、系外惑星の大半でも、地球と同様に「カンラン石+輝石」の組み合わせが支配的なことが示されました。ただし組成の違いを反映してカンラン石と輝石のバランスは地球とは違うものになります。

元素組成と岩石はどう繋がるのでしょうか?マントルの鉱物を構成する主な元素は、

  • 「O(酸素)」
  • 「Si(ケイ素)」
  • 「Mg(マグネシウム)」
  • 「Fe(鉄)」

です。特に「Mg+Fe」と「Si」の2つのグループのバランスは影響力が強く、Mg+Feが多い環境ではカンラン石が、Siが多い環境では輝石が作られやすいことが知られています。

地球のようなMg+Feが多い惑星ではカンラン岩のマントルになりますが、Siが多い惑星では輝を中心とした岩石「輝」がカンラン岩を置き換えます。

特殊なマントル

輝石とカンラン石では表せないマントルを持つ惑星も少数存在するとみられます。


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