オウムアムアの形状が大変なことになる

2017年に発見された「オウムアムア」は、史上初めて観測された太陽系外由来の小天体です。

オウムアムアは既に太陽系から飛び去りつつありますが、限られた期間の記録から、長軸と短軸の比が6~10倍という細長い「葉巻形」をしていると推定されます。

この数字は、既に、太陽系内の既知の天体では見られないほど極端なものです。しかしこの度ハーバード大学のA. Siraj氏とA. Loeb氏がアメリカの天文誌『Reserch Note of The AAS』(RNAAS) に投稿した研究は、実際のオウムアムアの形状はさらに極端かもしれないことを示しています。

「針」または「円盤」?

オウムアムアは、自転に伴う短期的・周期的な光度の変化を示しています。長軸が短軸の10倍という従来の推定は、その変光のパターンに基づいています。

Siraj氏らが着目したのは、2017年10月27日から11月22日にかけて、オウムアムアの平均光度が2.5倍に増加する変化が観測されたことです。従来、この増光は、形状の推定にあたって考慮されていませんでした。

氏らは、地球とオウムアムアが軌道上を移動したのに伴い、地球からオウムアムアを見た角度が変化したことが増光の原因と推定しました。この角度は、増光が観測された1か月の間に11度変化していました。

しかし、検証によると、このメカニズムで増光を説明するには、オウムアムアは「長軸が短軸の50倍以上」という、とてつもなく細長い形状でなければならないことが明らかになりました。

また、オウムアムアの形状は一般的に言われる「葉巻形」の他にも、極方向に押しつぶされた「パンケーキ形」説が知られています。氏らはこのモデルについても同様に検証しましたが、やはり「極方向の長さが赤道方向の長さの20分の1以下」という極端な結論に至りました。

他の説明も困難?

増光の原因は別のメカニズムかもしれません。具体的には、オウムアムアの分解や、表面の急激な変化が挙げられています。

しかし氏らによるとこれらの説明もやはり課題があるということです。

前者の場合は、分解に伴い生じるはずの自転周期の変化が観測されていないという大きな問題があります。

それと比較すると、後者の問題は深刻ではありませんが、オウムアムアのような不活発な天体で、1か月で2.5倍もの増光をもたらすような表面の変化が生じるメカニズムは、少なくとも太陽系内の小天体では見つかっていません。

現在のところオウムアムアの増光について納得のいく説明は見つからないようです。

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A. Siraj氏とA. Loeb氏の研究は、2019年1月18日に『Reserch Note of The AAS』(RNAAS) の掲載記事としてオンラインで公開されました。RNAASはアメリカ天文学協会が発行する査読制をとらない学術誌で、小規模な研究の発表や観測結果の速報などに利用されています。

参考文献

Siraj, A. & Loeb, A., 2019, RNAAS 3, 1.

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