赤色矮星グリーゼ685に系外惑星が見つかる

グリーゼ685と太陽系

赤色矮星を観測している「HADES」プログラムで、恒星「グリーゼ685」に地球の9倍の質量を持つ惑星が見つかりました。この発見はイタリアのトリノ天文台に所属する M. Pinamonti 氏らがarXivに投稿したプレプリント(リンク)で伝えました。


「HADES」では、視線速度法で赤色矮星の惑星を探すために、カナリア諸島にあるイタリア国立ガリレオ望遠鏡(口径3.6m)に設置された「HARPS-N」分光器を用いてを観測を行っています。

関連記事:系外惑星の観測方法#視線速度法

惑星が見つかった恒星「グリーゼ685」(Gl 685, GJ 685) は太陽の約半分のサイズ(半径)をもつ赤色矮星です。HADESはプログラムの一環としてこの星を2013年から2017年に106回観測しました。

グリーゼ685の視線速度には9日・18日・24日周期の3つの周期的な変動が見られました。詳しい分析によると9日・18日の成分は恒星の自転周期(18日)に関連する物でした。一方で24日の成分は恒星本体ではなく惑星に由来すると判断されました。

惑星の特徴

グリーゼ685と太陽系
グリーゼ685の惑星(上)と太陽系の下書き岩石惑星の比較。グリーゼ685bは半径が不明なため地球の2倍の半径と仮定している。

新たに発見された惑星「グリーゼ685b」 (Gl 685 b, GJ 685 b) は、地球の約9倍以上の質量を持つ惑星で、軌道半径0.13au(=地球と太陽の距離の0.13倍)の軌道を24.2日周期で公転しています。

惑星のサイズや密度が分かっていないため、岩石惑星なのか水素・ヘリウムで覆われた惑星なのかは明らかではありません。仮に岩石惑星であっても、表面に液体の水が存在するには高温過ぎます。

この惑星系のハビタブルゾーン(=地球型惑星の表面に液体の水が存在可能な範囲)は、0.19auより外側にあると計算されています。


グリーゼ685bはHADESが発見した7つ目の惑星です。これまで系外惑星の観測は太陽に似た星を中心に行われてきましたが、近年ではHADESプログラムの他にも「CARMENES」分光器や「SPIRou」分光器など赤色矮星の観測に適した装置が開発されています。

研究グループは今後HADESのデータを用いて赤色矮星の惑星について存在頻度などを推定した研究を発表するとしています。

関連記事:太陽系外惑星発見ニュースの一覧

Pinamonti氏らの研究は2019年3月28日にarXivに投稿され、29日に公開されました。コメントによると研究は『アストロノミー&アストロフィジックス』に受理され掲載予定ということです。

参考文献

  • Pinamonti, M. et al., 2019, “The HADES RV Programme with HARPS-N at TNG XI. GJ 685 b: a warm super-Earth around active M dwarf”, arXiv:1903.11853v1.

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