TESSがサイズの異なる系外惑星のペアを発見

NASAの系外惑星観測衛星「TESS」の観測で恒星HD 15337の周囲に見つかった2つの惑星候補が、2つの研究グループによって新たに惑星と確認されました。


惑星を確認したのはスイスのジュネーブ大学に所属する Xavier Dumusque 氏らと、イタリアのトリノ大学に所属する Davide Gandolfi 氏らです。グループは共に3月13日に論文のプレプリントをarXivに投稿しました。

惑星は太陽と比べてやや小さい恒星「HD 15337」を公転しています。この恒星は太陽系近傍にあり、これまで「HARPS」分光器で継続的に観測されていました。

惑星候補がTESSのデータから見つかった後、2つの研究グループはHARPSのアーカイブデータをそれぞれ独自に分析しました。

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惑星の特徴

HD 15337の2つの惑星(左下)と太陽系惑星の比較。

内側の惑星「HD 15337 b」は、4.76日周期で公転しています。Dumusque氏らの分析では、質量は地球の7.2倍・半径は1.7倍です。一方でGandolfi氏らの分析では、質量は7.6倍・半径は1.6倍です。

外側の惑星「HD 15337 c」は、17.18日周期で公転しています。Dumusque氏らの分析では、質量は地球の8.8倍・半径は2.5倍です。一方でGandolfi氏らの分析では、質量は7.4倍・半径は2.3倍です。

2つの惑星ともにハビタブルゾーン(=表面に液体の水が存在可能な領域)より高温側の軌道を公転しています。

恒星・惑星の詳細なパラメーターは本文末尾に載せています

恒星や惑星のパラメータは研究グループによって若干異なりますが、誤差の範囲で矛盾はありません。

谷の両側にある惑星

2つの惑星は似た質量を持ちますが、半径は大きく異なります。これは惑星の組成が異なるためと考えられます。

内側の惑星は金属のコアと岩石のマントルからなる地球型惑星(岩石惑星)と見られます。一方で外側の惑星は、岩石のコアを水素・ヘリウムの外層が取り巻いた構造か、あるいは岩石のコアの周りを厚い氷や水の層が取りまいた構造かのいずれかと見られます。

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これまでの研究で、地球の数倍以下のサイズの惑星は、半径の小さいグループと大きいグループに二分され、その中間(地球の1.7~2.0倍の半径)は数が少ないことが分かっています。HD 15337の2つの惑星はその分布の「谷」の両側にあります。

このような二極化した分布は、惑星のサイズが惑星に含まれる水素・ヘリウムの量に敏感に左右されることと、主恒星の紫外線放射などで惑星大気の水素・ヘリウムが失われる「光蒸発」とが組み合わさった結果とされます。

異なる種類の惑星が共存するHD 15337系は、これらのプロセスの影響を研究する格好の舞台と言えます。

Dumusque氏らの研究とGandolfi氏らの研究は、ともに2019年3月13日にarXivに投稿され、14日に公開されました。

参考文献

  • Dumusque, X. et al., 2019, “A hot rocky and a warm puffy super-Earth orbiting TOI-402 (HD 15337)”, arXiv:1903.05419v1.
  • Gandolfi, D. et al., 2019, “The transiting system HD 15337: a pair of nearly equal-mass sub-Neptunes on opposite sides of the radius gap”, arXiv:1903.05623v1.

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