TESSが肉眼等級の恒星に3つの惑星を見つける

系外惑星観測衛星「TESS」のデータから、6等星の「HR 858」に3つの惑星が見つかりました。この星はトランジット法で3つ以上の惑星が見つかった星として最も明るい恒星です。

テキサス大学オースティン校に所属する Andrew Vanderburg 氏らの研究グループが5月13日にarXivに投稿した研究(arXiv:1905.05193)は、NASAの系外惑星観測衛星「TESS」が、肉眼で視認可能な明るさの恒星に複数の惑星を見つけたことを報告するものです。

惑星は「HR 858」と呼ばれる恒星の周りにトランジット法で見つかりました。HR 858は南天の星座ろ座に含まれる6等星で、太陽系から32パーセク(103光年)先にあります。

関連記事:系外惑星の観測方法#トランジット法

関連記事:TESSの最新情報

惑星は2018年9月~11月にTESSが記録したデータから「惑星候補」として検出された後、過去のアーカイブデータの分析や、地上の望遠鏡を用いたフォローアップ観測で惑星と確かめられました。

惑星系

HR 858系と太陽系の比較。横軸が日射量、円のサイズが惑星の物理的半径を表す。

3つの惑星は内側から「HR 858 b」「HR 858 c」「HR 858 d」と呼ばれています。いずれも地球の約2倍の半径を持ち、小さい軌道を公転する高温の惑星です。質量や密度はまだ分かっていません。

惑星の公転周期は内側から3.59日・5.97日・11.23日です。内側の2つの惑星は公転周期の比が3:5に近く、軌道共鳴を起こしている可能性があります。

惑星系の主星「HR 858」は、太陽よりやや高い温度と大きな質量・半径・光度を持つ恒星です。

また今回HR 858 系には惑星の他に恒星の伴星「HR 858 B」が見つかりました。HR 858 Bは、主星から270天文単位(=地球と太陽の距離の270倍)離れた位置にある赤色矮星です。この星は十分に大きな軌道を持つため、惑星への直接的な影響はほとんどないと見られますが、惑星系の形成には影響したかもしれません。


HR 858は、トランジット惑星が見つかった恒星として、太陽系から見て4番目に明るく、3つ以上のトランジット惑星が見つかった恒星としては最も明るい星です。

この惑星系は今後、視線速度法による惑星質量の測定や、惑星大気の観測の重要なターゲットとして期待されます。

関連記事:太陽系外惑星発見ニュースの一覧

Vanderburg氏らの研究は2019年5月13日にarXivに投稿され15日に公開されました。

参考文献

  • Vanderburg, A. et al., 2019, “TESS spots a compact system of super-Earth around the naked-eye star HR 858”, arXiv:1905.05193v1.

関連記事

カテゴリ:TESS

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。