膨張した若い系外惑星が見つかる

おうし座V1298系

若い恒星「おうし座V1298」に新たに3つの惑星が見つかりました。これらは平均密度の低い膨張した巨大ガス惑星と見られます。

NASAのジェット推進研究所に所属するTrevor J. David氏らの研究グループがarXivに投稿した論文は、生まれて間もない恒星「おうし座V1298」に3つの系外惑星を発見したことを伝えています。既に知られていた惑星1つと併せて、この系に知られている惑星は4つになりました。


おうし座V1298は太陽よりやや質量の大きい恒星で、生まれてから2300万(±400万)年しか経っていません。この年齢は太陽系(46億年)と比べて100分の1以下です。

おうし座V1298は2014年に「ケプラー」宇宙望遠鏡の延長ミッションにあたる「K2ミッション」の一環としてトランジット法で観測され、2019年にそのデータから最初の惑星「おうし座V1298 b」(以下惑星b)が見つかりました。惑星bは木星型惑星で、主星の周りを24日周期で公転しています。

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今回の研究ではデータの再分析で未知の3つの惑星に関連したトランジット(=惑星が恒星の手前を横切る現象)が確かめられました。新たに見つかった惑星のうち、「おうし座V1298 c」「おうし座V1298 d」の2つは惑星bより内側の軌道にあり、公転周期はそれぞれ8.5日と12.4日・サイズ(半径)は地球の5.6倍と6.4倍です。

残りの1つ「おうし座V1298 e」は地球の8.7倍のサイズを持ち、惑星bより外側の軌道にあります。この星は観測期間中にトランジットを1回しか起こさなかったため、公転周期は42~120日の間ということしか分かっていません。

おうし座V1298系
おうし座V1298系の4つの惑星の公転周期とサイズ。右下は地球のサイズを示す。

収縮する惑星

今回の研究では惑星質量は直接測定されていませんが、惑星同士の軌道間隔の狭さから、内側の3つの惑星(c・d・b)は地球の数倍から100倍の質量を持つと予想されています。これは3つの惑星が体積の割に質量が小さく、膨張した巨大ガス惑星(木星型惑星)であることを示しています。

低質量のガス惑星は他の若い恒星にもいくつか見つかっていますが、太陽系と同程度に年老いた惑星系では稀です。代わりにそのような惑星系では半径が地球の3倍以下の惑星(サブネプチューンやスーパーアース)が多く見つかっています。

これらの傾向は、大気の収縮や流出に伴って、ガス惑星のサイズが年齢と共に小さくなるという考えに一致します。研究グループは、今後おうし座V1298系の惑星半径は4~9割ほど小さくなり、サブネプチューンやスーパーアースに変化するだろうと推測しています。

参考文献

  • David, T. J. et al., 2019, “Four newborn planets transiting the young solar analog V1298 Tau”, arXiv:1910.04563v1.

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