恒星間空間から飛来した流れ星

火球の想像図

流星は地球大気に衝突した微小な天体の姿です。その大半は太陽系内に起源を持ちますが、中には太陽系外から来たものがあるかもしれません。

今回過去の記録を分析した研究によって、2014年1月に観測された火球(明るい流星)が恒星間空間に起源を持つことが分かりました。


2017年に発見された「オウムアムア」は数十~数百メートルサイズの恒星間天体です。小天体は一般的にサイズが小さいほど数が多くなるため、メートルサイズ以下の恒星間天体は多く存在し、そのうちいくつかは地球に衝突している可能性があります。

米ハーバード大に所属する Amir Siraj 氏と Abraham Loeb 氏は、arXivに投稿した研究(arXiv:1904.07224)の中で、地球に衝突した天体の記録を収めた「CNEOSカタログ」からそのような流星を探しました。

火球の想像図
火球の想像図

研究チームは、「2014-01-08 17:05:34 UTC」にパプアニューギニア北の太平洋上(南緯1.3度・東経147.6度)で発生した火球が恒星間に起源を持つ可能性が高いとしています。この火球の元となった天体は約460kgの質量と40~50cmの直径をもつと計算されました。

CNEOSカタログによると、この天体は通常の流星と比べて異常に大きな秒速44.8kmという速度で地球大気に突入しました。これを太陽を中心とした速度に直すと秒速60kmに達し、太陽の重力に束縛されない恒星間天体だったと見られます。

※実際の衝突速度がCNEOSカタログの記載より秒速20km以上遅ければ、天体は太陽系内に起源を持つ可能性が生じます。しかしカタログの誤差は十分に小さいため、研究チームは太陽系外に起源があることはほぼ確実としています。

起源

天体の軌道を遡ると、太陽系接近前には太陽に対して秒速43.8kmの相対速度で恒星間空間を漂っていたと考えられています。この相対速度は太陽近傍の星に見られる典型的な値と比べて大きいものです。

オウムアムアを含めて、恒星間天体はどこかの恒星の周りで作られた後、何らかの理由で恒星系から恒星間空間に放出されたものと考えられています。

古い時代に生まれた恒星(thick disk star)は、比較的大きな相対速度(50km/s程度)を持つ傾向があります。今回の天体はそのような星の周りから放り出されたものかもしれません。ただしこの種の恒星は太陽近傍では珍しい存在(約4%)です。

代わりに、相対速度の小さい恒星から高速で放出されたシナリオもあります。このような高速の放出は、軌道半径が小さく公転速度の大きい軌道から小天体が放出された時に起こり得ます。


研究チームは、今回のようなサイズの恒星間天体は、地球が生まれて現在までにおよそ1000万~25億個以上が地球に衝突したと考えています。これは、小天体に付着した微生物が宇宙を拡散するという「恒星間パンスペルミア説」に真実味を付け加えています。

また、将来は今回のような天体を衝突前に発見できるようになるかもしれません。その場合、衝突前の軌道を追跡したり、火球の残骸を観測することで、恒星間天体についてより詳しい理解が得られると期待されています。

Siraj氏らの研究は2019年4月15日にarXivに投稿され、16日に公開されました。

参考文献

  • Siraj, A. & Loeb, A., 2019, “Discovery of a Meteor of Interstellar Origin”, arXiv:1904.07224v1.

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