K2-138系の惑星質量

K2-138系の惑星

6つの惑星が知られている「K2-138」系の惑星質量が地上からの観測で明らかになりました。

「K2-138」系は「ケプラー」宇宙望遠鏡の延長ミッションに当たる「K2ミッション」で6つの惑星が見つかた惑星系です。この系には、惑星の公転周期が整数比に近くなる「軌道共鳴」が見られ、特に内側5つの惑星が公転周期約2:3の比で連なっていることが特徴です。

6つの惑星は地球の1.5倍から3.5倍のサイズ(半径)がありますが、ケプラーの観測法(トランジット法)の特性上、質量や平均密度・組成などの詳しい性質は分かってませんでした。

K2-138系の惑星
K2-138系の惑星について公転周期とサイズを示した図。

なお惑星系の主星「K2-138」は太陽より少し質量の小さい恒星です。

HARPSによる観測

フランスのエクスマルセイユ大学に所属する T. A. Lopez 氏らの研究グループがarXivに投稿した研究は、K2-138系の惑星質量を視線速度法で調べたものです。研究グループは南米チリのラ・シヤ天文台ESO 3.6m望遠鏡に設置された「HARPS」分光器を用いて、K2-138系の視線速度(奥行き方向の速度)を2017年から2018年に215回測定しました。

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分析の結果、惑星bは質量が地球の約3倍・惑星cは約6倍・惑星dは約8倍・惑星eは約13倍であることが分かりました。残る二つの惑星(fとg)は質量は求まりませんでしたが、99%の確率でそれぞれ地球の8.7倍以下・25.5倍以下と見積もられています。

また惑星の平均密度は惑星bが約5g/cm3・惑星bが約2.8g/cm3・惑星bが約3.2g/cm3・惑星bが約1.8g/cm3でした。これらは地球と海王星の中間に相当し、いずれも少量の水素・ヘリウムの外層を持つ惑星と推定されています。

地球と海王星の中間サイズの惑星には様々な平均密度のものがあります。前述の4つの惑星で概ね外側に行くほど密度が低くなる傾向が見られることは、この惑星系の形成過程を知る上で重要なヒントになりそうです。


なお今回の研究では明らかにならなかった惑星f・gの質量は、惑星の重力相互作用でトランジット(惑星が恒星の手前を通過する現象)の発生間隔が変動する「トランジット時刻変動(TTV) 法」で求まるかもしれません。K2ミッションの精度はこの方法で質量を求めるには十分ではありませんでしたが、2019年後半に打ち上げ予定の系外惑星観測衛星「CHEOPS」では十分な精度で質量を測定できることが期待されています。

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参考文献

  • Lopez, T. A. et al., 2019, “Exoplanet characterisation in the longest known resonant chain: the K2-138 system seen by HARPS”, arXiv:1909.13527v1.

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カテゴリ:視線速度法

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