散開星団に含まれる恒星に系外惑星を見つけた思ったら星団とは無関係だった件

新たに見つかった惑星系は、当初は散開星団に含まれていると考えられていましたが、実際には無関係でした。

1か所で生まれた恒星の群れが離散しつつある星団を散開星団と言います。このような若い星団の恒星にみられる惑星を調べれば、惑星系が時間と共にどのように変化していくのかを知る手掛かりが得られます。

米コロンビア大に所属するRayna Rampalli 氏らの研究グループが6月6日にarXivに投稿した研究(arXiv:1906.02395)は、散開星団の近くにある恒星「EPIC 246865365」に系外惑星を発見したことを伝えています。この惑星「EPIC 246865365 b」は、ケプラー宇宙望遠鏡の延長ミッションに当たるK2ミッション(2014~2018年)でトランジット法を用いて惑星候補として検出されたものです。


EPIC 246865365は、おうし座にある散開星団「NGC 1817」の方角にあり、なおかつこの星団と似た方向に動いています。そのため当初は統計的に見て92%の可能性で星団に含まれると計算されていました。

しかし、惑星候補を確認するためのフォローアップ観測が行われている間に、EPIC 246865365は実際には星団とは関係が無いことが明らかになりました。2018年に公開された「ガイア」衛星のデータリリース2は、この恒星が星団とは異なる方向に動いていることを示しています。また星団に属する星は平均して秒速65kmで太陽系から離れていますが、地上の望遠鏡を用いた分光観測によると、EPIC 246865365は秒速9kmで離れているに過ぎないことが分かりました。

散開星団に含まれる星には、これまで視線速度法やトランジット法でいくつかの惑星が見つかっていますが、トランジット法で海王星サイズより大きい惑星が見つかった例はありません。EPIC 246865365 b はその最初の例として期待されていました。

惑星系

惑星「EPIC 246865365 b」は木星の0.9倍の半径を持つホットジュピター(高温の木星型惑星)で、3.386日周期で主星の周りを一周します。質量はよく分かっていませんが、最大でも木星の8倍だと考えられています。この惑星の半径は木星より土星に近いため、研究グループは「ホットサターン」と呼んでいます。

主恒星の「EPIC 246865365」は、太陽よりやや温度が高くサイズが大きいF型主系列星です。質量は太陽の1.1倍、半径は1.3倍、温度は6100ケルビン(約5800℃)と計算されています。


Rampalli氏らの研究は6月6日にarXivに投稿され、7日に公開されました。コメントによると研究は『アストロノミカル・ジャーナル』に掲載予定ということです。

7月17日にAJに掲載されました(リンク)。

参考文献

  • Rampalli, R. et al., 2019, “A Hot Saturn Near (but unassociated with) the Open Cluster NGC 1817”, arXiv:1906.02395v1.

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カテゴリ:系外惑星の発見

更新履歴

  • 2019/6/10 – 記事作成
  • 2019/7/20 – AJへの掲載について加筆。

「散開星団に含まれる恒星に系外惑星を見つけた思ったら星団とは無関係だった件」への1件のフィードバック

  1. まるで「なろう小説」のようなタイトル(笑)

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