ケプラーが発見した「最初の惑星」が確認される

NASAのケプラー宇宙望遠鏡が発見した最初の「惑星候補」が惑星と確認されました。

ハワイ大学に所属する Ashley Chontos 氏らの研究グループが arXivに投稿した研究は、これまで「KOI-4.01」という名前で呼ばれていた惑星候補を惑星として確認したと報告しています。惑星は「ケプラー1658b」と名付けられました。

惑星系の主星「ケプラー1658」は、太陽の1.4倍の質量と2.9倍の半径を持つ恒星で、寿命が近づき膨張しつつある「準巨星」です。この星は太陽より高温ですが、準巨星になる前はさらに高温だったと考えられています。

惑星「ケプラー1658b」は主星の周囲を3.85日で公転するホットジュピター(高温の木星型惑星)です。木星の1.1倍の半径と5.9倍の質量があり、ホットジュピターの中では大きな質量を持ちます。

準巨星に惑星が見つかることは少なく、特にホットジュピターの発見は極めて稀です。ケプラー1658bは、ホットジュピターの形成メカニズムを知るうえで重要な研究対象として注目されます。

関連記事:太陽系外惑星発見ニュースの一覧

Chontos氏らの研究は2019年3月4日にarXivに投稿され、6日に公開されました。arXivへの投稿にともなうコメントによると、研究は『アストロノミカル・ジャーナル』に受理され掲載予定ということです。

「最初の惑星」の顛末

KOI-04.01(ケプラー1658b)は、その質量の大きさや準巨星の周囲を公転している点で特殊な惑星ですが、その確認に至る経緯も奇妙なものです。

「KOIカタログ」はケプラーが検出した惑星候補をまとめたカタログです。KOI-1.01からKOI-3.01の名はケプラーの観測視野にある既知の惑星に割り当てられたため、KOI-4.01はケプラーが検出した「最初の惑星候補」です。ただしKOI-4.01は8年間に渡って惑星とは確認されませんでした。

KOI-4.01が掲載された2011年の時点で、主恒星のサイズは誤って太陽の1.1倍とされ、惑星候補が実在すれば海王星サイズとされていました。

※当時この恒星が準巨星とは知られておらず、主系列星(膨張していない通常の恒星)という前提で推定されたためです。

※トランジット法では惑星のサイズを「恒星のサイズとの相対比」として観測するため、恒星のサイズの誤りは惑星のサイズの誤りに直接引き継がれます。

この誤った推定は、理論上予測されるKOI-4系の光度変化とケプラーの観測記録との間に矛盾を生じさせ、KOI-4.01は2014年の4度目のKOIカタログのデータリリースで「誤検知」に分類されました。

しかし、新しい自動化された方法でデータを再分析した7度目のリリース(2016年)では、KOI-4.01は再び惑星候補(=誤検知とは断定できない)と判定されました。2017年にはこの天体を惑星と確認するためのフォローアップ観測が始まりました。

2018年に出されたKOIカタログの最終リリースでも、惑星候補の分類は維持されました。2019年にはフォローアップ観測や分析をまとめてKOI-4.01を惑星と結論付ける研究(つまり本記事で紹介してる研究)が報告されました。

KOI-04.01(ケプラー1658b)は、ケプラーが「最初に確認した惑星」ではないものの、「最初に検出した(そしてその後確認された)惑星」と言えます。

参考文献

Chontos, A. et al., 2019, “The Curious Case of TOI 4: Confirming Kepler’s First Exoplanet Detection”, arXiv:1903.01591v1.

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。