低温の赤色矮星LP 791-18に惑星見つかる

系外惑星観測衛星TESSが赤色矮星「LP 791-18」の周りに2つの惑星を見つけました。LP 791-18はこれまで惑星が知られている赤色矮星の中でも3番目に温度が低い天体です。

LP 791-18の惑星の日射量とサイズ。

「LP 791-18」は太陽系から86光年の距離にある赤色矮星(質量の小さい低温の恒星)です。半径は太陽の6分の1しかなく、赤色矮星の中でも小さい部類に入ります。

マサチューセッツ工科大学に所属する Ian J. M. Crossfield 氏らの研究グループがarXivに投稿した研究(arXiv:1906.09267)は、2018年に打ち上げられた系外惑星観測衛星「TESS」のデータから、LP 791-18の周りに2つの系外惑星を見つけたことを報告しています。

惑星系

LP-719-18の惑星系を構成する天体は、内側の軌道を公転するサイズの小さい惑星と、外側の軌道を公転するサイズの大きい惑星です。

LP 791-18の惑星の日射量とサイズ。
LP 791-18系にある惑星の日射量とサイズを太陽系の惑星と比較した図。横軸が日射(対数スケール)、円のサイズが惑星半径を表す。

内側の惑星「LP 791-18 b」(仮称:TOI-736.02)は、地球の1.1倍のサイズ(半径)を持ち、半径0.010天文単位(地球と太陽の距離の0.010倍)の軌道を0.948日周期で一周しています。外側の惑星「LP 791-18c」(仮称」TOI-736.01)は、地球の2.3倍のサイズ(半径)を持ち、半径0.029天文単位の軌道を4.99日で一周しています。

いずれの惑星も地球より大きな日射量を受ける高温の星です。現時点で質量は測定されていません。

半径が地球の4倍以下の惑星は地球半径の1.5~2.0倍を境に半径が小さいグループと大きいグループに分かれます。LP 791-18の惑星bはこれらのうち小さい側、惑星cは大きい側に属します。このグループは惑星内部構造の違いを反映したものと見られ、惑星bは岩石惑星、惑星cは低密度の物質(氷や水素・ヘリウム等)を含んだ惑星と考えられています。

低質量の赤色矮星

LP 791-17と太陽のサイズ比較。
LP 791-18と太陽のサイズ比較。

赤色矮星の惑星系はこれまでにも多く見つかっていますが、その中でもLP 791-18は特に小さな質量と低い温度を持ちます。恒星の有効温度について見ると、LP 791-18の2960ケルビン(2690℃)という値は、惑星を持つことが知られている赤色矮星の中で「TRAPPIST-1」と「ティーガーデン星」に次いで3番目に低いものです。

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これまでの研究では、赤色矮星の中でも質量が小さく温度が低いものほど多くの惑星が存在する傾向が分かっています。TRAPPIST-1系はその端的な例で、この星には地球サイズの惑星が7つも見つかっています。

この傾向に基づくとLP 791-18に未発見の惑星が存在していても不思議ではありません。研究チームの分析によると、TESSが検出できる惑星は地球の1.1倍~1.4倍よりサイズが大きく、かつTESSの観測期間(1か月弱)より十分に短い公転周期を持つものに限られます。今後LP 791-18に惑星が追加で見つかることは十分にあり得そうです。仮にこの惑星系に公転周期10~20日に惑星があれば、液体の水が表面に存在可能な温度になると見積もられています。


Crossfield氏らの研究は2019年6月21日にarXivに投稿され、25日に公開されました。

参考文献

  • Crossfield, I. J. M. et al., 2019, “A super-Earth and sub-Neptune transiting the late-type M dwarf LP 791-18”, arXiv:1906.09267v1.

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カテゴリ:系外惑星の発見

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