逆行軌道を公転するホットジュピター「MASCARA-4b」

地上からトランジット法で観測を行っている「MASCARA」プロジェクトと「bRign」プロジェクトが、高温の恒星「HD 85628」の周囲に、逆行軌道で公転するホットジュピター(高温の木星型惑星)を見つけました。

この発見はオランダのライデン大学に所属する P. Dorval 氏らの研究グループがarXivに投稿したプレプリント(arXiv:1904.02733)で伝えられました。


MASCARAとbRingは世界各地5か所(MASCARA:2か所・bRing:3か所)に設置された広視野のカメラを用いて、明るい恒星の周りにある惑星をトランジット法で探しています。

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今回伝えられた惑星「MASCARA-4b」(別名「bRign-1b」「HD 85628 b」)は両プロジェクトのデータから「惑星候補」として検出された後、フォローアップ観測で惑星と確かめられました。

惑星系

MASCARA-4bは「HD 85628」と呼ばれる8等星の周囲を公転しています。HD 85628 は太陽よりサイズが大きく温度が高い「A型主系列星」で、光度(太陽系から見た明るさではなく天体固有の光度)は太陽の10倍以上です。

惑星は主恒星の周りを2.82日で一周するホットジュピターです。サイズ(半径)は木星の1.5倍、質量は約3倍で、温度は2100ケルビン(1800℃)と計算されています。

ドップラートモグラフィー法による観測では、MASCARA-4bの軌道面と恒星の赤道面は248度傾いていることが分かりました。つまりこの惑星は極軌道に近い逆行軌道にあり、主星の時点と逆方向に公転しています。

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この惑星のような恒星の赤道面から著しく外れた軌道を持つ惑星は、高温の恒星で頻繁に見つかる事が知られています。


この惑星は今後、系外惑星観測衛星「TESS」の視野に入る見込みです。TESSの観測では惑星の軌道や性質がより精確に明らかになると期待されています。

また、この惑星は温度が高く主恒星が明るいことから「透過光分光法」などを用いた惑星大気の観測にも適してます。

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Dorval氏らの研究は4月4日にarXivに投稿され、8日に公開されました。

参考文献

  • Dorval, P. et al., 2019, “MASCARA-4 b/bRing-1 b – A retrograde hot Jupiter around the bright A3V star HD 85628”, arXiv:1904.02733v1.

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