※恒星の金属量とは

恒星について「金属」 (metal) といえば「水素・ヘリウム以外の元素の総称」です。「金属量」 (metallicity) とは、恒星の組成のうちこれらの「金属」が占める割合を指します。

ここでいう「金属」は、化学分野を始めとする他分野の金属とは異なる使い方です。いわば天文学の中で話される方言のようなものです。

水素・ヘリウム以外の元素であれば何でも金属なので例えば酸素・窒素・炭素などの他分野では非金属に分類される元素も金属の一種として扱われます。

この金属の用法は天文学の全ての分野で使われているわけではなく、例えば惑星や小惑星で金属と言えば、化学と同じ意味での金属元素(鉄など)を意味します。

水素・ヘリウムと金属を分ける理由

水素・ヘリウムと、その他の元素(金属)を分ける理由は太陽の組成を見ると明らかになります。

質量ベースで見た太陽の組成。

太陽の組成は、水素とヘリウムが質量のうち圧倒的割合を占め、ほかの元素(=金属)は全て合わせても2%弱に過ぎません。

金属の割合(金属量)は恒星によって違いがあります。例えば太陽では質量比で2%弱ですが、他の恒星では1%だったり3%だったりします。

しかし水素・ヘリウムが圧倒的割合を占めることは変わりがありません。これは、水素とヘリウムが宇宙誕生直後に大量に生成された特別な元素だからです。

非金属を金属扱いする理由

水素・ヘリウムが特別な元素だとすれば、「水素・ヘリウム」「非金属」「金属」の3つに分類すればいいのではないかという考えがあるかもしれません。

しかし化学分野での「金属」「非金属」という分類は、その元素の化学的・物理的性質に基づいています。このような性質は地球上の常温常圧の環境を前提としています。

一方で、恒星は表面付近で数千度、中心に向かえばそれより高温になり、元素は原子核と電子がバラバラになったプラズマの状態で存在します。そのため、化学における金属・非金属という概念はほとんど意味がありません。

これらの事情で、天文学で恒星を扱うときは「水素・ヘリウム」「金属」という元素の切り分け方をします。

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