太陽系外惑星の観測方法

この記事では太陽系外惑星の観測に用いられる各種観測方法を説明しています。

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※印は、惑星の発見には使われず、専ら既知の惑星・惑星候補を詳しく調べるために用いられている

直接撮像法

恒星のそばにある惑星の光を直接撮影します。惑星はとても暗いため、原理的なシンプルさに反して難しい方法です。

現在の技術で直接撮像法を使えるのは (1) 温度の高い若い惑星 (2) 恒星から十分離れた位置にある惑星、の2つの条件を満たすケースに限られます。

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トランジット法

系外惑星のトランジットとは、惑星が主恒星の手前を横切ることを指します。このとき恒星の光の一部が遮られるため、恒星が一時的に暗くなります。ここから惑星の大きさや軌道を知ることができます。食検出法とも呼ばれます。

トランジット法の発展は視線速度法より遅れましたが、2000年代から2010年代にかけて、地上での観測体制が整ったことや、専用の宇宙機が打ち上げられたことで、最もメジャーな方法になりました。

トランジットが起きるためには、惑星が、恒星と観測者(=われわれ太陽系)の間に割り込む軌道を持つという偶然が必要です。そのためすべての惑星がトランジット法で観測できるわけではありません。

この方法は惑星のサイズと軌道を知ることができますが、質量は分かりません。これは視線速度法TTV法などの別の方法で調べられます。

トランジット法の観測は、恒星の明るさを継続的に記録することで行われます。この方法は視線速度法と比べて暗い恒星にも使えます。

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トランジット時刻変動法

この方法は、トランジットを起こしていることが既に分かっている天体を詳しく調べるために利用されます。TTV法とも言います。

惑星の軌道が変わらなければトランジットは等しい間隔で起きます。一方で、トランジットを長期間観測して、その発生時刻が等間隔から変動していること(TTV)が分かれば、惑星の軌道に影響を与える他の天体があることになります。

1つの惑星系に2つ以上のトランジット惑星が見つかっている場合、トランジットとTTVの観測のみで惑星質量を測れることがあります。

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トランジット分光法

この方法は、トランジットを起こしていることが既に分かっている天体を詳しく調べるために利用されます。透過光分光法とも言います。

この方法では、惑星がトランジットを起こしている最中の恒星と、そうでない状態の恒星を観測し、両者のスペクトル(光を波長ごとに分解したもの)を比べることで、惑星の大気に由来するスペクトルを抜き出します。

惑星大気のスペクトルからは、大気組成や気温などを知ることができます。

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恒星の動きを観測するもの

惑星が軌道上を運動すると、主恒星もそれを補うように少しだけ運動します。恒星のこの動きを測定できれば間接的に惑星を知ることができます。この原理を用いたものとして、アストロメトリ法視線速度法があります。

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アストロメトリ法

アストロメトリ法では、恒星の位置を継続的に調べることで惑星を間接的に観測します。

この方法は1950年代から系外惑星探しに用いられていましたが、要求される精度の厳しさから20世紀中には成功しませんでした。

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視線速度法

恒星の動きに伴って恒星の速度が周期的に変わるのを測定します。恒星の横方向の速度を計るのは技術的に困難ですが、奥行き方向の速度(視線速度)は光のドップラー効果として測定できます。RV法ドップラーシフト法ドップラー分光法とも呼ばれます。

1995年のペガスス座51番星の発見から、トランジット法が拡大するまで、最もメジャーな系外惑星の観測方法でした。現在でもトランジット法に次いでよく使われます。

この方法では、恒星の速度のうち視線速度の成分しか観測できないため、分かるのは惑星の「下限質量」です。「真の質量」を知るにはトランジット法などの他の方法で惑星の軌道傾斜角を調べる必要があります。また惑星のサイズや密度なども分かりません。

ドップラー効果を調べるには、高分解能の分光器が必要になります。この方法は暗い恒星の惑星を調べるには適しません。

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マイクロレンズ法

重力は光の進路を曲げます。そのため、遠方の光源の手前に重力源が割り込むと、光源が歪んで見えます。これを重力レンズ効果といいます。

光源がごく小さいと、像の歪みは直接見えないものの、歪みに伴う光度変化によって、間接的に重力レンズの発生が分かります。これがマイクロレンズ効果です。この現象は、ある恒星の手前を、無関係な恒星が偶然横切るときに見られます。

マイクロレンズ発生中の光度変化は通常1つのピークを持った山型ですが、恒星のそばに惑星あると副次的なピークが生じます。ここから恒星と惑星の距離や惑星質量が分かります。

マイクロレンズ効果は一過性の現象であるため、同じ惑星を繰り返し観測するのは困難です。また同じ理由で、マイクロレンズ発生時点での恒星と惑星の距離は分かりますが、惑星の軌道は分かりません。

マイクロレンズ法の観測は、恒星の明るさを継続的に観測することで行われます。

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掩蔽を観測する方法

惑星が恒星の奥を通過するような軌道を持つ場合があります。特にトランジットを示す惑星は高い確率でそのような軌道になります。惑星が恒星の奥に隠れることを掩蔽 (occultation) あるいはsecondary eclipseと言います。

掩蔽中は惑星の光が隠されるため、掩蔽中と掩蔽外の系の明るさ差を調べれば、惑星を直接観測できなくても明るさか分かります。

この方法は特にホットジュピターの観測に適しています。惑星の光は恒星の光の反射光と熱放射の両方が含まれます。掩蔽の観測では惑星の反射能や大気の温度の情報が得られます。

掩蔽による減光の大きさ(=惑星の明るさ)はごく小さいため、分光器を用いた分光観測は困難です。一方で、複数の異なるフィルターで観測した明るさを比較することで、ごく低分解能の分光観測を行うことは可能です。

専ら既知の惑星を詳しく調べるために使われる方法です。理屈上は惑星の発見にも使えますが現実的ではありません。

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原始惑星系円盤を観測する方法

生まれたばかりの恒星は、ガスとダストからなる原始惑星系円盤に囲まれています。この中に惑星が存在すれば、ダストの分布にギャップや歪みが引き起こされます。これを観測すれば惑星の存在を間接的に知ることができます。

惑星探しの手法というより、原始惑星系円盤を調べる研究の副産物として、惑星が推定されるケースが中心です。

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パルサータイミング法

パルサーの周囲にある惑星を観測する特殊な方法です。

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