※次世代トランジットサーベイ(NGTS)とは

次世代トランジットサーベイ (The Next Generation Transit Survey, NGTS) は系外惑星をトランジット法で観測するプロジェクトの1つです。トランジット法とは、惑星が恒星の手前を横切る現象(トランジット)に伴う恒星の減光を捉えることで惑星を検出する方法です。

関連記事:系外惑星の観測方法#トランジット法

NGTSの施設は、南米チリのパラナル天文台に設置されており、2015年に一部の設備による観測を、2016年2月に本格的な観測を開始しました1。運営はイギリスの大学などからなる「NGTSコンソーシアム」によるものです1(コンソーシアムのメンバーは後述)。

NGTSは小さい軌道を公転するホットジュピター(高温の木星型惑星)やホットネプチューン(海王星型惑星)の検出に適します。検出された惑星候補は、より大型の望遠鏡を使ったフォローアップ観測で確認が行われます。

設備

NGTSの施設は口径20cmの望遠鏡12台とこれを収める約10×15mの建屋からなります。建屋の屋根は自動で開閉し、望遠鏡は計画に従って全自動で恒星の明るさを記録します1

望遠鏡1台当たりの視野は約3×3度で、12台合計で100平方度の範囲を一度に観測可能です1。なお比較として月の見かけの大きさ(視直径)は約0.5度です。

特徴

同種のサーベイと比べたNGTSの特徴として、測光精度の高さと観測波長の長さがあります。

NGTSの測光精度は0.1%を目標としています。これは地上からのトランジットサーベイとして従来にない水準です。これまで宇宙ミッションでしか発見できなかった小さい惑星(最小で地球の2倍以下1)を見つけることができると期待されています。

また、NGTSでは比較的波長の長い可視光~近赤外線(波長500~900ナノメートル)を通して観測します2。このため太陽と比べて低温の恒星、特に小型のK型主系列星~大型のM型主系列星を調べるのに最適です2。発見できる惑星の公転周期は概ね20日以下とされます1, 2

NGTSは柔軟にスケジュールを組めるため、「TESS」や「PLATO」といった宇宙ミッションで検出された惑星候補のフォローアップにも適しています2

NGTSの基本的な技術は、同種のトランジットサーベイである「WASP」に基づいています1,2

成果

2019年4月現在、NGTSは6つの系外惑星の発見を公表しています。

NGTSコンソーシアムのメンバー

出典1

  • ウォーリック大学(イギリス)
  • ジュネーブ天文台(スイス)
  • ドイツ航空宇宙センター
  • レスター大学(イギリス)
  • クイーンズ大学ベルファスト(イギリス)
  • ケンブリッジ大学(イギリス)
  • チリ・カトリック大学
  • チリ大学

参考文献

  • 1. West, R. G. et al., 2016, “The Next Generation Transit Survey Becomes Operational at Paranal”, The Messenger 165.
  • 2. Wheatley, P. J. et al, 2019, “The Next Generation Transit Survey (NGTS)”, MNRAS 475, 4476. (arXiv:1710.11100).

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