NGTS-5b・低温の恒星を廻る膨張したホットジュピター

次世代トランジットサーベイが新たにホットジュピター(高温の木星型惑星)を発見しました。

ドイツ航空宇宙センターに所属する Philipp Eigmüller 氏らが5月7日にarXivに投稿した論文(arXiv:1905.02593)は、「次世代トランジットサーベイ」(NGTS)の成果を伝えています。NGTSはトランジット法を用いて太陽系外惑星を探すプロジェクトで、小型の自動式望遠鏡12台からなる専用の施設をチリに持っています。

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新たに見つかった惑星「NGTS-5b」は、主星に近い小さい軌道を3.357日で一周するホットジュピターです。この惑星は質量が木星の0.23倍・サイズ(半径)が1.16倍で、0.19 g/cm3という低い密度を持ちます。

惑星系の主恒星「NGTS-5」は、太陽より小さく温度が低い「K型主系列星」に分類され、質量や半径は太陽の約7割です。このような比較的低温の星を観測することはNGTSの得意とするところです。

なお惑星系は太陽系から310パーセク(1010光年)の距離にあります。

発見と観測

NGTS-5bは、2016年のNGTSの自動観測の記録から惑星候補として見つかり、中・大型の望遠鏡を使ったフォローアップ観測で惑星と確かめられました。フォローアップは以下の3つの望遠鏡と4つの装置を用いて行われました。

  • 南アフリカ天文台エリザベス1m望遠鏡(SHOC’n’awe=測光)
  • チリ・ラ・シヤ天文台オイラー1.2m望遠鏡(EulerCam=測光・Corslie=分光)
  • チリ・ラ・シヤ天文台ESO 3.6m望遠鏡(HARPS=分光)

測光ではトランシットの再観測を、分光では視線速度法に基づく惑星質量の測定が行われました。

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なおNGTS-5bは2020年にNASAの系外惑星観測衛星「TESS」の視野に入る見込みで、これによって詳しい観測が期待されます。


Eigmüller氏らの研究は2019年5月7日にarXivに投稿され、8日に公開されました。コメントによると、研究は『アストロノミー&アストロフィジックス』に掲載予定ということです。

参考文献

  • Eigmüller, P. et al., 2019, “NGTS-5b: a highly inflated planet offering insights into the sub-Jovian desert”, arXiv:1905.02593v1.

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