横倒しに自転する惑星は地球より生命に適しているかもしれない

横倒しになった自転軸を持つ惑星は、地球のような惑星と比べて、いくつかの理由で生物の生息に適した環境を維持しやすいという研究が公表されました。

自転傾斜角の大きい惑星

地球の自転軸は23.4度傾いていますが、これは惑星がとりうる様々な自転傾斜角の一例にすぎません。自転傾斜角と惑星の「居住可能性」(生物が生息可能かどうか)がどのように関わっているかは大きな関心事です。

米ゴダード宇宙科学研究所に所属する Christopher M. Colose 氏らが5月22日にarXivに投稿した研究(arXiv:1905.09398)は、自転軸が大きく傾いた惑星の気候を調べたものです。特に、日射量の少ない環境に焦点を当てています。


研究では、地球と等しいサイズ・表面重力・自転周期を持つものの、自転軸は75度傾いた惑星を再現しシミュレーションを行いました。比較用に自転傾斜角20度の惑星も用いられました。なお単純化のため惑星はどちらも全球が海に覆われていると仮定されています。

研究の目的の一つは日射量の影響を調べることです。そのため太陽定数(基準となる日射の強さ)を1360, 1075, 950 W/m2の3種類に変えてシミュレーションを行いました。このうち1360 W/m2が現在の地球に相当します。

また気候に影響する別の要素として大気の二酸化炭素濃度があります。研究では太陽定数と二酸化炭素濃度のさまざまな組み合わせでシミュレーションを行いました。

エキゾチックな環境

自転傾斜角の大きい惑星
自転傾斜角の大きい惑星

自転傾斜角が55~60度を超える惑星では、地球とは逆に年平均の日射量が赤道で最も小さくなり、気温も赤道で低くなることがが知られてます。このことは今回の研究でも確かめられました。

自転軸の「傾いた」惑星では、夏には太陽が沈まない「白夜」が、冬には太陽が昇らない「極夜」が広い範囲で起き、極地では大きな気温の季節変動が生じます。しかし、冬の極地は日が全く昇らないにもかかわらず赤道より寒くなることはありませんでした。これは海によって熱が保たれるためとだ考えられています。

またこれも従来の研究で示されていたことですが、「傾いた」惑星は、そうでない惑星と比べて、平均気温が高くなることが改めて確かめられました。これは、反射率の高い雲が発生する緯度が日射量最大の緯度と大きくずれる効果や、大気中の水蒸気量による温室効果が原因です。

傾いた惑星と氷床

今回のシミュレーションは、海の表面が凍結し「海氷」となる効果も扱っています。一般的に、惑星の平均気温が十分に高い時、海氷はほとんど・あるいは全く存在しません。しかし惑星の平均気温が0℃を下回るようになると、海氷が急拡大し、寒冷化が進みます。

今回の研究では、気温に影響を与える要素として日射量と二酸化炭素濃度を扱っています。これらの値が小さい条件でシミュレーションを始めると、惑星表面の大部分が海氷に覆われる結果になります。

「傾いた」惑星が温暖なことは凍結を避ける上で有利と考えられます。実際に、シミュレーションでは、傾いていない惑星が凍結するような日射・二酸化炭素の条件でも、傾いた惑星は温暖な気候を保っていました。

さらに今回の研究では、「傾いた」惑星では寒冷化が進んで大規模な海氷が生じたとしても、居住可能性を保てることが分かりました。

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