TESSが若い連星系に惑星を発見

系外惑星観測衛星「TESS」の観測で、若い連星系「きょしちょう座DS星」に惑星が見つかりました。木星型惑星と天王星型惑星の中間の大きさを持つこの天体は、膨張した低質量の惑星かもしれません。

発見はイタリアのパドバ天文台に所属する S. Benatti氏らの研究グループによって伝えられました(リンク)。

連星系

「きょしちょう座DS星」系は、太陽に似た主星「きょしちょう座DS星A」(以下恒星A)と、太陽よりやや小さい伴星「きょしちょう座DS星B」(以下恒星B)とから構成れる連星系です。2つの恒星は少なくとも240天文単位(=地球と太陽の距離の240倍)離れた位置にあります。発見された惑星は恒星Aの周囲を回るものです。

この系は同じ場所で生まれた年齢4000万年前後の若い星の集まり「きょしちょう座・とけい座アソシエーション」に含まれています。若い星に典型的な特徴として、2つの恒星は高速で自転し、表面には強い磁場を伴った巨大黒点があります。

惑星

新たに見つかった惑星「きょしちょう座DS星Ab」は2018年に打ち上げられた人工衛星「TESS」のデータからトランジット法で見つかりました。地球の5.6倍のサイズ(半径)を持ち、8.14日周期で恒星Aの周りを公転しています。

連星系にある惑星の軌道。
連星系にある惑星の軌道。連星を構成する恒星の一つを回っている場合(S型、左)と、連星系全体を回っている場合(P型=周連星惑星、右)が存在する。きょしちょう座DS星Abの配置は左側(S型)に相当する。

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惑星のサイズは天王星型惑星(地球半径の約4倍以下)と木星型惑星(地球半径の約10倍以上)の中間にあります。

惑星の質量は直接測定されていませんが、半径に基づいた推定では地球の約20倍です。この惑星系の若さからして、惑星は通常より膨張している可能性があるため、研究グループは、実際の質量はさらに小さいかもしれないと述べています。また他の高温の惑星と同様に、大気の流出が起きている可能性があります。

観測

研究グループは視線速度法でこの惑星系を観測し、木星の0.94倍(地球の300倍)以下という惑星質量の大まかな上限を得ました。前述のように実際の質量はこれよりはるかに小さいと見られます。

恒星Aは活動性の高さと自転速度の速さのために視線速度法には向きません。一方で高い自転速度はロシター効果(惑星トランジット中に一時的な視線速度の変化が生じる現象)の調べるには有利です。

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惑星は表面重力が小さく拡散した大気を持つと見られる上に、主星が比較的明るいため、透過光分光法による大気観測のターゲットとしても有望です。

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Benatti氏らの研究は2019年4月2日にarXivに投稿され、4日に公開されました。

参考文献

  • Benatti, S. et al., 2019, “A possibly inflated planet around bright, young star DS Tuc A”, arXiv:1904.01591v1.

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更新履歴

  • 2019/4/6 – 作成
  • 2019/7/2 – 画像追加・文章一部修正

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