ALMAが成長中の惑星から放たれる電波を観測

ALMA望遠鏡が原始惑星「PDS 70 c」の周りにある塵から放射されているとみられる電波を観測しました。

PDS 70はケンタウルス座にある若い恒星で、塵とガスを含んだ原始惑星系円盤と、2つの原始惑星「PDS 70 b」「PDS 70 c」が周囲に見つかっています。このうち外側にある惑星PDS 70 c(以下惑星c)は、可視光~近赤外線を通じた観測でごく最近存在が確かめられました。

PDS 70の原始惑星系円盤と惑星
PDS 70の原始惑星系円盤と惑星。

アメリカのライス大学に所属する Andrea Isella 氏らが6月14日にarXivに投稿した研究(arXiv:1906.06308)は、チリにある「ALMA」電波望遠鏡群を用いてPDS 70系を観測した結果を伝えています。

今回の研究は、2016年と2017年に行われ、既に結果が公表されているALMAの観測データを再分析したものです。観測は波長855マイクロメートルの電波(サブミリ波)を通じて行われました。惑星cの発見以前に行われたこれらの観測では、後に惑星cが見つかる位置に不明瞭な明るい領域が写っていましたが、これが惑星なのかどうかは明らかでありませんでした。


惑星cの確認を受けて行われた今回の再分析では、この明るい領域が惑星に対応した放射源と確かめられました。観測された電波の強さを説明するためには、惑星本体のみでは不十分で、惑星の周りに「周惑星円盤」が存在し、そこに含まれる塵から電波が放出されていると考えられます。放射の強さから見積もられた塵の質量は地球の約0.2~0.4%(月の0.2~0.4倍)で、周惑星円盤の塵と考えて矛盾しません。

ALMAの観測データには、惑星cとは別に、内側の惑星PDS 70 b(以下惑星b)の近くにも放射源が写っています。しかしその位置は可視光や赤外線で観測された惑星b本体の位置から明らかに外れています。これは、惑星cとは異なり、この放射源は惑星bの周惑星円盤ではないことを示しています。

研究グループは、一説として、木星のトロヤ小惑星のように、惑星bの同期軌道に捉えられた塵の集合から電波が放出されている可能性を挙げてますが、その正体を突き止めるにはより詳しい観測が必要とされています。


Isella氏らの研究は2019円6月14日にarXivに投稿され、17日に公開されました。コメントによると研究は『アストロフィジカル・ジャーナル・レターズ』に受理され掲載予定ということです。

参考文献

  • Isella, A. et al., 2019, “Detection of continuum submillimeter smission associated with candidate protoplanets”, arXiv:1906.06308v1.

関連記事

カテゴリ:原始惑星系円盤

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。