極端な系外惑星を説明するために極端なメカニズムは必要ない

潰れた楕円軌道を持つ系外惑星は、惑星同士が接近し、軌道を歪ませたことで生じたと考えられています。新しい研究では、このメカニズムで説明できないとされていた極端な楕円軌道を、同じメカニズムで説明できることが示されました。

重力散乱

質量の大きい惑星同士が接近すると、大きな力学的エネルギーの交換が起き軌道が変化します。この現象を惑星同士の「重力散乱」といい、楕円軌道を持つ系外惑星を説明する有力なメカニズムとされています。

ただしこれまでの研究では、極めて潰れた楕円軌道はこのメカニズムでは生じないとされています。そのような軌道の惑星は他のメカニズムに由来すると考えられていました。

惑星の軌道交差
円軌道の惑星系が軌道交差を経て楕円軌道の惑星系に変化する模式図。

新しい研究

米ペンシルベニア州のデイビー研究室に所属するDaniel Carrera氏らは、重力散乱でどこまで極端な軌道が生じるのかを重力多体シミュレーションで検証し、その結果をarXivに投稿しました。

研究では太陽と同様の恒星の周りに3つの巨大ガス惑星を置き、500回シミュレーションを重ねました。その結果、これまで見られなかった極端な楕円軌道の惑星が一定数生じました。

楕円軌道の具体的な形状は離心率という値で示されます。離心率が0であれば軌道は完全な真円で、1に近づくほど潰れた楕円になります。

従来は惑星同士の重力散乱で生じる離心率は0.8~0.9程度が上限とされていましたが、今回の研究では最大で離心率0.99を超える彗星のような軌道も見られました。

見落とされた人工的効果

なぜ過去の研究と異なる結果になったのでしょうか?

軌道離心率が上がるとき、多くの場合惑星は外側にはじかれるように楕円軌道になっていきます。これは離心率の上昇と共に軌道半径が大きくなることを意味します。

これまでの研究では、主恒星から一定以上の距離に達した天体を、惑星系から「放出された」としていました。しかし今回の研究で、これまで放出されたと見なされていた惑星でも、楕円軌道で系に留まり続けるものがあることが分かりました。

この結果は、重力散乱以外のメカニズムが惑星軌道の離心率に関わっていることを否定するものではありませんが、軌道離心率が1に近いからといって必ずしも重力散乱以外のメカニズムを用意する必要はないことを示しています。

Carrera氏らの研究は2019年3月6日にarXivに投稿され、8日に公開されました。

参考文献

Carrera, D. et al., 2019, “Planet-planet scattering as the source of the highest eccentricity exoplanets”, arXiv:1903.02564v1.

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