星の大集団が太陽系の近所に潜伏

太陽系から100パーセク(約300光年)の距離に「恒星ストリーム」と呼ばれる大規模な構造が見つかりました。

ウィーン大学のS. Meingast氏らがarXivで公表した研究は、ヨーロッパ宇宙機関の人工衛星「ガイア」の観測データに基づいて、太陽系から300パーセク(約900光年)以内にある天体の位置と動きを調べたものです。

研究チームは、データの中から同じ方向に運動する大規模な恒星の群れ「恒星ストリーム」を見つけ出しました。この群れは周囲の星と混じり合っているため外見上は識別不能ですが、ガイア衛星が記録した精密な恒星の運動を調べることで存在が浮かび上がってきました。

見つかった恒星ストリームは、長さが少なくとも400パーセク(約1300光年)・幅が50パーセク(160光年)に達する巨大な帯状構造で、総質量は太陽の2000倍以上と推定されています。太陽系からの距離は最も近い部分が約100パーセク(約300光年)です。

その規模の大きさと距離の近さのため、太陽系から見るとこの構造は120度の角度に分布しています。しかし前述のように、このストリームは外見から存在を知ることはできません。

過去最大規模

恒星ストリームは、崩壊した矮小銀河などの古い恒星から成り立っている場合が多いのですが、今回発見されたストリームはおよそ10億年前に形成された若い星で構成されています。

10億年前に誕生した恒星の大集団が、周囲の星と混じり合って星団としての外見を失いつつも、同じ方向に運動する天体の群れとしての関連性を保っているものと考えられています。

この種の「同郷の星」の集団は、「運動星団」や「アソシエーション」として太陽系近傍にいくつか存在しますが、今回見つかったストリームは太陽系近傍の物としては過去最大の規模を有しています。

Meingast氏らの研究は2019年1月18日にプレプリントとしてarXivに投稿され、天文学の学術誌『アストロノミー&アストロフィジックス』に掲載予定です。

参考文献

Meingast, S. et al., 2019, “Extended stellar systems in the solar neighborhood II. Discovery of a nearby 120° stellar stream in Gaia DR2”, arXiv:1901.06387v1.

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