ティーガーデン星の惑星に生命は存在可能か?

ティーガーデン星の2つの地球型惑星をモデルを用いて調べた研究で、幅の広い条件で、惑星の少なくとも一部の地域に液体の水が存在可能とみられることが示されました。

太陽系から12.5光年の距離にある「ティーガーデン星」には、ごく最近2つの地球型惑星(内側の「惑星b」と外側の「惑星c」)が見つかりました。地球並みの質量を持ち地球に似た日射受けているこれらの惑星は、表面に液体の水が存在するかもしれません。

しかしながら質量や日射だけが惑星の環境を決めるわけではありません。特に惑星系の主星のティーガーデン星は、質量が非常に小さく(太陽の10分の1以下)、惑星が小さい軌道を持っている点で、太陽系とは状況が異なっています。2つの惑星が実際に居住可能(=生物が生息可能)と言えるかどうかを知るには、より詳しい研究が必要です。

異質な環境

イスラエルのエルサレム・ヘブライ大学に所属する Amri Wandel 氏とテルアビブ大学に所属する Lev Tal-Or 氏がarXivに投稿したプレプリント(arXiv: 1906.07704)は、ティーガーデン星の居住可能性について惑星温度分布のモデルを用いて調べたものです。

ティーガーデン星系の惑星は小さい軌道を公転しているため、自転と公転が同期し、同じ半球を常に主星に向けた「潮汐固定」の状態にあると見られます。そのため、地球とは異なり、永久に日の沈まない昼半球で最も高温となり、永久に日の昇らない夜半球へ向けて温度が下がり続けると考えられています。

著者の一人であるWandel氏は、このような潮汐固定された惑星を扱うモデルを構築し、2018年の研究で公表しています(リンク)。今回の研究ではこのモデルをティーガーデン星の2つの惑星に適用し、表面温度の分布を計算したものです。

モデル

モデルでは、(1) 惑星が主恒星から受け取るエネルギー (2) 昼の半球から夜の半球に熱が再分配される効率 (3) Hatm(heating factor) によって表面温度の分布が決まります。Hatmは惑星大気の温室効果などの要素を総合した数値で、高温を招く条件では大きな値になります。Hatmの値は火星では約0.3、地球では約1、金星では約50です。

今回の研究は、ティーガーデン星の惑星についてHatmの具体的な値を求めるのではなく、居住可能な環境が生じるHatmの範囲を調べるアプローチで行われました。この範囲が広ければ、それだけ幅広い条件の大気で居住可能性が実現することになります。

結果

極端な仮定

「熱の再分配の効率が100%」「温度が0~100℃で居住可能」という条件では、ティーガーデン星の惑星bと惑星cはそれぞれHatmが0.7~2.5と2.2~7.5の間で居住可能でした。惑星bは地球に似た大気(Hatm=1)を持っていれば居住可能ですが、惑星cでは地球より高いHatmが必要です。

ただし「熱の再分配の効率が100%」というのは「熱が理想的に再分配されるため、昼と夜の半球で温度差が全く生じない」という極端な状況です。現実的には効率は100%より小さな値になります。

「ティーガーデン星の惑星に生命は存在可能か?」への2件のフィードバック

  1. 実際に温暖な大気や液体の水をたたえた大地を持つ惑星かどうかは今後の観測技術の進歩を待たねば判らない事ですが、太陽系近傍にも沢山ハビタブルゾーンを公転する系外惑星が有るものですね!

  2. コメントありがとうございます。
    赤色矮星は太陽型星と比べて(本当にハビタブルかどうはかはともかく)ハビタブルゾーン内の地球型惑星が高い確率で存在するという研究もありますので、期待したいですね。

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