ここでは太陽系外惑星観測衛星「TESS」が発見した惑星候補に関する情報のうち、記事へのリンクや、独立した記事を立てていないものなどを随時加筆しています。
2019年7月
※[ ] 内は本記事に加筆した日付、それ以外は出来事のあった日付です。
25日・リストには992個が掲載中
7月25日現在、ExoFOP-TESSのリストに掲載されている天体は992個に増加しています。
14日・リストには842個が掲載中
7月14日現在、ExoFOP-TESSのリストには842個の天体が記載されています。
9日・リストには787個が掲載中
7月9日現在、ExoFOP-TESSのリストには787個の天体が記載されています。現時点で掲載されている最新のセクター(約1ヶ月ごとの観測区分)はセクター11です。
8日・HD 1397 bが正式掲載
ホットジュピター「HD 1397 b」(TOI-120b)の発見を伝える論文が『アストロノミカル・ジャーナル』に掲載されました(リンク)。この論文は、異なる研究グループが作成した同天体の発見を伝える2つの論文の一つで、2018年11月にarXivにプレプリントとして投稿されていたものです。[11日]
5日・TESSのデータから蒸発する微惑星発見
恒星「HD 240799」の周囲で微惑星が蒸発している証拠をTESSのデータから発見したという研究がarXivに掲載されました。[14日]
2019年6月
27日・L 98-59の惑星が正式に掲載
3月にプレプリントとして公開されていたルイテン98-59(L 98-59, TOI-175)の3つの惑星の発見を伝える研究が、正式に『アストロノミカル・ジャーナル』に掲載されました(外部リンク、当ブログの記事)。[29日]
25日・LP 791-18の惑星を公表
LP 791-18(TOI-736)の2つの惑星を伝える研究がarXivで公開されました。[29日]
22日・リストには759個が掲載中
6月22日現在、ExoFOP-TESSのリストには759個の天体が記載されています。現時点で掲載されている最新のセクター(約1ヶ月ごとの観測区分)はセクター10です。
20日・TESSのデータを利用した研究
6月20日に褐色矮星「NGTS-7Ab」の発見を伝える研究がarXivで公表されました。この天体はTESSの観測以前にNGTS(次世代トランジットサーベイ)が発見したもので、天体の性質を詳しく調べるためのデータの一つとしてTESSの観測記録が利用されました。[22日]
7日・リストには685個が掲載中
6月7日現在、ExoFOP-TESSのリストには685個の天体が記載されています。
4日・ホットジュピターの存在頻度
TESSの観測データに基づいてホットジュピターの存在頻度を調べた研究が4日にarXivで公開されました。TESSのデータを用いて惑星の存在頻度を算出した最初の研究です。[7日]
4日・リストには662個が掲載中
6月4日現在、ExoFOP-TESSのリストには662個の天体が記載されています。
2019年5月
15日・HR 858の惑星系を公表
HR 858 の3つの惑星の発見を伝えるプレプリントがarXivで公開されました。HR 858 は6等星で、トランジット惑星が見つかった恒星の中では明るい天体の一つです。[6/4]
13日・リストには616個が掲載中
5月13日現在、ExoFOP-TESSのリストには616個の天体が記載されています。
2019年4月
30日・グリーゼ357の惑星を公表
TOI-562(グリーゼ357)の2つの惑星を伝える研究のプレプリントがarXivで公開されました。[5/2]
24日・リストには564個が掲載中
4月24日現在、ExoFOP-TESSのリストには564個の天体が記載されています。
23日・グリーゼ357の惑星候補ほか
TOI-562(グリーゼ357)を観測した「HARPS」分光器と「HIRES」分光器の過去の記録によると、この惑星系には地球の1.6倍の質量を持った惑星が存在すると見られます(リンク)。
HIRESの観測によるとTOI-516は誤検知の可能性が高いことが分かりました(リンク)。TOI-538は誤検知の徴候はありませんでした(リンク)。[24日]
22日・TRESの観測
TRES分光器を使った観測の結果が報告されています(リンク)。
TOI-561, TOI-613, TOI-614の3つはより詳しい観測に適すると判断されました。ただしTOI-614は他の観測で誤検知の可能性が示されています。
TOI-582は高速で自転しているため詳しい観測には適さないことが分かりました。またTOI-603はさらなる観測が行われる予定です。[24日]
19〜20日・TRESの観測
15個の惑星候補についてTRES分光器を使った観測の結果が報告されています(リンク)。
※TRESはアリゾナ州ホイップル天文台のティリンガースト反射鏡(口径1.5m)に設置された分光器で、TESSのフォローアップの枠組みでは大型望遠鏡を使った観測に値する惑星候補を判別するために用いられています。
TOI-560, TOI-562, TOI-564, TOI-611はより詳しい観測に適すると判断されました。このうちTOI-564以外は優先目標(「レベル1」ターゲット)に位置づけられるサイズの小さい惑星候補です。
TOI-587, TOI-589, TOI-607, TOI-608は誤検知あるいは観測が難しい高速自転星であることが判明しました。
TOI-561, TOI-563, TOI-568, TOI-575, TOI-592, TOI-613, TOI-614は判断を下すためにさらなるTRESの観測が行われる予定です。[24日]
18〜19日・TESS打ち上げ一周年
2018年4月18日(UTC, 日本時間19日)に行われたTESSの打ち上げから1年が経過しました。[24日]
16日・HD 21749 cを公表
NASAの公式サイトが、すでに1つの惑星が発見されているHD 21749(TOI-186)系に、地球の0.9倍の半径を持つ惑星HD 21749 cを新たに発見したことを伝えています(リンク)。この発見に関する論文は15日に『アストロフィジカル・ジャーナル』に掲載されました(リンク)。
TESSが発見した地球よりサイズの小さい惑星で、査読を経て学術誌に掲載されたのはこれが最初です(プレプリント段階のものならすでに存在します:当ブログの記事)。
13日・リストには548個が掲載中
4月13日現在、ExoFOP-TESSのリストには548個の天体が記載されています。新しく追加された惑星候補は主に「セクター8」の期間に検出されたものです。
6日・リストには482個が掲載中
4月6日現在、ExoFOP-TESSのリストには482個の天体が記載されています。
4日・TOI-200の惑星を公表
TOI-200(きょしちょう座DS星)に見つかった惑星候補を惑星と確認したとする研究がarXivで公開されました。きょしちょう座DS星は若い連星系で、惑星は連星の主星(きょしちょう座DS星A)の周囲にあります(当ブログの記事)。[6日]
2019年3月
20日・TOI-175の3つの惑星を公表
TOI-175(ルイテン98-59)の3つの惑星候補を惑星と確認したとする研究がarXivで公表されました。確認された惑星には地球より小さいものも含まれます(当ブログの記事)。[25日]
20日・TOI-141の2つの惑星を公表
TOI-141 (HD 213885)の2つの惑星候補を惑星と確認したとする研究がarXivで公表されました。
惑星のうち一つはTESSに観測されたものではなく、フォローアップ観測の過程で視線速度法で見つかっったものです(当ブログの記事)。[25日]
16日・リストには430個が掲載中
3月16日現在、ExoFOP-TESSのリストには430個の天体が記載されています。
追加された惑星候補は「セクター7」で検出されたものと見られます。これには、地上からの観測で既に知られている惑星系が複数含まれます(HAT-P-30, 35, 43, 50, WASP-121, KELT-14, 15, 19A)。
15日・TOI-270の3つの惑星を公表
TOI-270の3つの惑星候補を惑星と確認したとする研究がarXivで公表されました(当ブログの記事)。[16日]
14日・TOI-402の2つの惑星を公表
TOI-402(別名HD 15337)の2つの惑星候補を惑星と確認したとする研究が2つのチームによってarXivで公表されました(当ブログの記事)。[15日]
7日・リストには408個が掲載中
3月7日現在、ExoFOP-TESSのリストには408個の天体が記載されています。
またExoFOPのサイト上に「CTOI」(Community TOI) のリストが新たに設置され、7日時点で9個の天体が記載されています。CTOIは第三者によって観測データから発見・報告された惑星候補です(参考リンク)。
5日・TOI-176.01が候補から脱落?
惑星候補「TOI-176」は食変光星を誤検知したものと示唆する報告がなされています(リンク)[7日]
CHIRON分光器による観測では、この系は低質量の赤色矮星2つからなる連星系で、伴星が主星の奥に隠れる掩蔽が、トランジットに似た変光をもたらしているということです。
7日時点では正式な分類変更はされていません。
2日・TOI-441.01が候補から脱落
惑星候補「TOI-441.01」が誤検知に分類されました(リンク)。トランジットに似た変光はTOI-441系の近くにある別の食変光星の光が混入したもの (NEBシナリオ) です。[7日]
2019年2月
27日・TOI-150bを公表
TOI-150bの発見がarXivで公表されました。[2月28日]
24日・TOI-402の惑星が確認へ前進
HARPS分光器のアーカイブデータからTOI -402の2つの惑星が検出されたと報告されています。 [2月26日]
12日・TOI-216の2つの惑星を公表
TOI-216に2つの惑星を確認したとする研究がarXivに掲載されました。[2月12日]
11日・リストには385個が掲載中
ExoFOP-TESSのリストに記載されている天体の数が385個に増えています。[2月11日]
6日・TRES分光器による観測結果
米アリゾナ州ホイップル天文台の分光器TRESを用いたまとまった数の観測結果が報告されています。[2月8日]
2日・TOI-390.01が確認へ前進
惑星候補「TOI-390.1」が実際に惑星であることを示唆する観測結果が報告されています。[2月3日]
2日・リストには336個が掲載中
2月2日現在、ExoFOP-TESSのリストには336個の天体が記載されています。うち40個は誤検知に分類されています。[2月2日]
2019年1月
30日・TOI-416.01が候補から脱落
惑星候補「TOI-416.01」が誤検知 (FP) に分類されました。分光観測で大きな視線速度の変動が見つかったことが理由です。
このような変動は、ターゲットの正体が惑星ではなく恒星同士の連星であることを示します [2月2日]。
29日・TOI-389の自転速度
惑星候補「TOI-389.01」の主星「TOI-389」が高速で自転していることを示す観測結果(投影自転速度40km/s)が報告されています。
これはTOI-389のような高温の星ではよく見られる特徴です [2月2日]。
何をやっているのか?
2018年に打ち上げられたNASAの人工衛星「TESS」は、惑星が恒星の光を一時的に遮る現象トランジットを観測することで太陽系外惑星を探しています。
この目的のためにTESSは極めて視野の広いカメラを載せていますが、その代償として解像度が低く、ターゲットの近くにある無関係な星の光が混じることなどが原因で、惑星の「誤検知」が生じやすい欠点があります。そのため地上の望遠鏡を用いた組織的なフォローアップ観測が必要です。
ExoFOP-TESSというサイトはフォローアップの経過を研究者の間で共有するために作られましたが、一部の情報は一般にも公開されています。本記事はそれに基づいて最新の情報を掲載しています。
3月7日・記事の体裁を修正