2つの惑星が軌道を共有?

太陽系外惑星観測衛星TESSのデータから、2つの惑星が同じ軌道を公転しているかもしれない惑星系の候補が見つかりました。

異なる天体が同じ軌道を安定して周回する軌道を「共有軌道」といいます。

太陽系では、木星の軌道に集まっているトロヤ群小惑星を始めとして、小天体の例が多く見つかっています。

一方で「共有軌道『惑星』」は、系外惑星を含めて確認されたものはありません。これまでにその可能性がある惑星系は3つ報告されていますが、いずれも報告後の研究で否定的な結果が出ています。

奇妙な惑星系

今回、ベルン大学の A. Leleu氏らがarXivで公表した研究は、TESSが発見した「TOI-178」と呼ばれる惑星系候補を扱ったものです。

この系には、3つの惑星候補「TOI-178.01」「TOI-178.02」「TOI-178.03」が存在し、このうち、.02と.03は異常に接近した軌道を持つらしいことが分かりました。

3つの惑星候補の公転周期は、内側から

  • KOI-178.01 – 6.61日
  • KOI-178.03 – 10.0日
  • KOI-178.02 – 10.3日

で、これが正しければ外側の2つは共有軌道惑星です。

周期が短い.03は、このままでは.02に追突しそうですが、上記はあくまで「TESSが観測した時点」の値であることに注意が必要です。仮に共有軌道であれば、惑星同士の重力相互作用で公転周期が周期的に増減するため、一定以上は接近しません。

実際に研究チームは、シミュレーションによる検証で、上記の配置は数十億年という時間スケールで安定なことを立証しました。

ただし、観測期間の短さのため現時点では他のシナリオを排除できていません。特にTOI-178.03の周期が上記の約半分という可能性が無視できないことが分かっています。

その場合は惑星の周期と並びは内側から

  • KOI-178.03 – 4.9日
  • KOI-178.01 – 6.61日
  • KOI-178.02 – 10.3日

となり、共有軌道とは無縁になります。

答はすぐ出る?

現時点でTOI-178系に共有軌道惑星が含まれるか確証はありませんが、近い将来に結論が出ることになりそうです。

仮に共有軌道惑星であれば、惑星同士が互いに重力を与えることで惑星の軌道は絶えず変化します。この変化は「トランジット時刻変動」(TTV)という形で観測可能です。

KOI-178系の場合、仮にTTVが存在すれば、数百日周期のゆっくりとした変動が生じると予想され、これがTESSの短い観測では共有軌道の有無を確認できなかった理由です。しかしTTVの振幅自体は大きいので、フォローアップ観測で変動の有無を判定可能です。

Leleu氏らの研究は2019年1月22日にプレプリントとしてarXivに投稿されました。

参考文献

Leleu, A., et al. 2019, “Co-orbital exoplanets from close period candidates: The TOI-178 case”, arXiv:1901.07250v1.

「2つの惑星が軌道を共有?」への2件のフィードバック

  1. >2019-01-24 17:26

    これは自分で転載しました

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。