TESSが太陽系に似た惑星系を発見

NASAの系外惑星観測衛星「TESS」の成果として、太陽に似た恒星「HD 86226」の周りに新たに惑星を確認したとする研究が公表されました。この星の周囲にはTESSの打ち上げ以前に1つ惑星が見つかっていましたが、今回の研究でこの惑星系が従来考えられていたより太陽系に似ていることが明らかになりました。

※TESSは2018年に打ち上げられた人工衛星で、惑星が恒星の手前を横切る際に一時的に光を遮る「トランジット」を観測することで惑星の検出を行っています。

関連記事:系外惑星の観測方法#トランジット法

研究はカーネギー研究所に所属するJohanna Teske氏らアメリカの研究者を中心とした国際研究グループがarXivにプレプリントとして投稿したものです。新たに見つかった惑星「HD 86226 c」(以下「惑星c」)は、太陽にとてもよく似た主恒星HD 86226の周りを3.984日周期で公転しています。 軌道半径はわずか0.05天文単位(=地球と太陽の距離の0.05倍)に過ぎません。惑星のサイズ(半径)は地球の2.2倍、質量はおよそ7.3倍で、平均密度は3.9g/cm3と計算されています。これは地球の密度(5.5g/cm3)より低く、氷やガス等の密度が低い物質を多く含んだ「ミニネプチューン」と考えられています。主恒星に近い軌道を公転しているため、温度は1310ケルビン(約1040℃)に達すると見られます。

惑星cはこの系に見つかった2つ目の惑星です。最初に見つかった惑星「HD 86226 b」(以下「惑星b」)は、TESS打ち上げ以前の2010年に、惑星の公転運動が主恒星の視線速度(奥行き方向の速度)に及ぼす影響を調べる視線速度法に基づいて報告されていました。

関連記事:系外惑星の観測方法#視線速度法

当初、惑星bは極端な楕円軌道を公転し木星より質量が大きいとされていましたが、2013年の研究では軌道はそれほど楕円ではないことが示されていました。今回の研究で惑星cの存在を考慮してデータを分析した結果、惑星bは実際にはほとんど真円に近い軌道を4.5年で公転し、質量も木星の半分程度であることが分かりました。低質量・短周期の惑星の外側を長周期の木星型惑星が真円に近い軌道で公転しているという構図は、太陽系の姿に似たものです。

Teske氏らの研究は2020年7月29日にarXivでプレプリントとして公開されました。投稿の際に付されたコメントによると、研究はアメリカ天文学会の学術誌『アストロノミカル・ジャーナル』に受理され掲載予定だということです。

参考文献

Teske, J. et al., 2020, “TESS Reveals a Short-period Sub-Neptune Sibling (HD 86226c) to a Known Long-period Giant Planet”, arXiv:2007.13927.

関連記事

「TESSが太陽系に似た惑星系を発見」への1件のフィードバック

  1. こんにちは
    更新されてないかな?と久しぶりに覗いてみたら更新されているではないですか!
    自分はもう頑張る元気が無いですが…

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。