太陽系近傍の赤色矮星にハビタブル惑星候補が見つかる

太陽系近傍にある恒星「GJ 1061」の周りに3つの地球型惑星候補が見つかりました。そのうち少なくとも1つでは、惑星表面に液体の水が存在できるかもしれません。

独ゲオルク・アウグスト大学に所属する S. Dreizler氏らヨーロッパとチリの研究者からなるグループがarXivに投稿した研究(arXiv:1908.04717)は、太陽系近傍の恒星「GJ 1061」(別名ルイテン372-58)に3つの惑星候補を見つけたことを伝えています。

GJ 1061は太陽から12光年の距離にある赤色矮星(低温の小さい恒星)で、質量は太陽の12%・半径は16%しかありません。この星の質量やサイズは、太陽系最至近の恒星として知られるプロキシマ・ケンタウリに似ています。

観測

研究チームは、赤色矮星の周りにある惑星を視線速度法で探す「Red Dots」プロジェクトの一環として、チリのラシヤ天文台にある「HARPS」分光器用いて2018年にGJ 1061を観測しました。

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観測の結果、この星の視線速度に5つの異なる変動の成分が見つかりました。変動のうち56日と130日の周期は恒星本体に由来する可能性がありますが、他の3つは惑星の公転に対応していると考えられています。

惑星

3つの惑星候補(GJ 1061 b・c・d)は、それぞれ3.20日・6.69日・13.0日(または12.4日)の公転周期と、地球の1.4倍・1.8倍・1.7倍の質量を持ちます。これらの質量は視線速度法の性質上「下限質量」であり、真の質量はいくらか大きいかもしれません。

3つの惑星のうち最も外側にある惑星「GJ 1061 d」(以下惑星d)は、13.0日と12.4日の2つの周期を持つ可能性があります。片方は真の周期で、もう片方は観測間隔の影響で表れた偽の周期性(alias)と見られるものの、どちらが本物なのかは今のところ明らかではありません。

惑星dは軌道が惑星表面に液体の水が存在しうる軌道範囲(=ハビタブルゾーン)に収まっている点で注目に値します(※周期が13.0日と12.4日のいずれのケースでも収まります)。惑星dは地球と比べて主恒星に近い軌道を公転していますが、GJ 1061系では主恒星の光度が小さいため、結果として惑星dは適度な放射エネルギーを主恒星から受け取ることができます。

また6.7日周期の惑星cもハビタブルゾーンの内縁にぎりぎり収まっている可能性があります。


GJ 1061のような赤色矮星の惑星系では、惑星がハビタブルゾーンに収まっていても、生物が生息可能と言えるかどうかはよく分かっていません。ただし主恒星の活動性が低いことは生命にとって有利と言えます。

GJ 1061は太陽系から特に近い距離にあり、視線速度法での観測に適しています。今後の継続的な観測で3つの惑星の外側にあるかもしれないより長周期の惑星が見つかることも期待できます。


Dreizler氏らの研究は2019年8月13日にarXivに投稿され、14日に公開されました。

参考文献

  • Dreizler, S. et al., 2019, “Red Dots: A temperate 1.5 Earth-mass planet in a compact multi-terrestrial planet system around GJ 1061”, arXiv:1908.04717v1.

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カテゴリ:赤色矮星

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