TESSが系外惑星TOI-150bを発見・ホットジュピター

系外惑星観測衛星TESSがホットジュピター「TOI-150b」を発見しました。この惑星はTESSの観測視野に長期間とどまり続ける点で注目されます。

ペンシルバニア州立大のCaleb I. Cañas 氏らがarXivに投稿した研究(atXiv:1902.09710は、系外惑星「TOI-150b」の発見を伝えています。

TOI-150bは主星の周りを5.86日で公転するホットジュピター(高温の木星型惑星)で、木星の1.7倍の質量と1.4倍の半径を持ちます。ホットジュピターとしては比較的質量が多い部類に入ります。

主恒星の「TOI-150」は太陽と比べて温度が高い恒星で、太陽の1.5倍のサイズ(半径)があります。

発見と観測

TOI-150bはトランジット法を用いたTESSの観測で「惑星候補」として見つかり、地上からのフォローアップ観測や既存のアーカイブデータを用いて惑星と確かめられました。

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フォローアップ観測に用いられたのは、南米チリのラスカンパナス天文台にある小型自動望遠鏡「TMMT」と、同天文台のマゼラン望遠鏡(口径6.5m)に設置された分光器「PFS」です。また、同天文台のデュポン2.5m望遠鏡を用いてTESSの打ち上げ前に行われていた「APOGEE」サーベイのデータも用いられました。

大規模な恒星の調査を目的としたAPOGEEは、個々のデータの精度は高くないものの、TOI-150bのような質量の大きい系外惑星について有益な視線速度法のデータをもたらすことができます。今後TESSが発見する多数の惑星候補を確認する上で、APOGEEのような大規模なサーベイのデータは重要です。

関連記事:系外惑星の観測方法#視線速度法

CVZ内の惑星

TOI-150系自体はあまり特殊な要素のない惑星系ですが、長い間TESSの視野に入る点では注目に値しますに。TESSは1か月ごとに方角を変えながら観測しているため、ターゲットの大半は短期間しか視野に入りません。しかし、天の北極と南極付近では、視野が重なる「CVZ」 (Continuous Viewing Zone) という領域があります(参考外部リンク)。TOI-150は南側のCVZに含まれ、計画が順調なら351日間概ね続けて観測できます。

仮にこの惑星系に別の長周期の惑星が潜んでいれば、長期の観測で見つかる可能性があります。また、天の極付近にあるCVZは、近い将来打ち上げが予定されているジェームズウェッブ宇宙望遠鏡の観測にも適しています。


Cañas氏らの研究は2019年2月26日にarXivに投稿され、27日に公開されました。研究は5月30日に正式に『アストロフィジカル・ジャーナル・レターズ』に掲載されました。

参考文献

  • Cañas, C. I. et al., 2019, “TOI-150: A transiting hot Jupiter in the TESS southern CVZ”, ApJL 877, L29 (arXiv:1902.09710v1).

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系外惑星の発見

更新履歴

  • 2019/2/27 – 作成
  • 2019/6/26 – 全面改稿・ApJLへの掲載について追加

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